どうもこんにちは、こんばんは。夕向奏です。
これは語学・言語学・言語創作 Advent Calendar 2024の一日目の記事です。
最初ということで緊張しますが、一日目に相応しい記事を投稿しようと思います。
みなさん、平均律というものはご存知ですか?
あ、これ音楽の話なんですけど。
言語関係ないじゃないか、だって?
大丈夫です。この後関係するんで。
なんとか平均律というのは大抵純正二倍音を元に平均的に割った物ですね。
よく知られているのは12平均律です。
つまり純正二倍音=1オクターヴを元に12等分に割っているんですね。
あ、そうそう。12平均律以外の音楽に関してはAmano hideyaさんという方が色々挙げてらっしゃるのでそちらをお聞きください。
ステマじゃないです。
ようつべ貼っときます。
3………
2……
1…
さあ、聞いてきましたか?
「はえ〜7平均律とか19平均律ってこんな感じなんか〜、で、これが関係するの?」
あ、これ自体は関係しないんですけど。
待って待ってブラウザバックしないで!
知識として必要だったから解説したの!
えーごほん。
では本題です。
結局のところ、〜平均律というのはオクターヴを何等分するかって話に過ぎません。
そして人工言語勢の人は日々こう思っているはずです。
「言語、ぶっ壊して〜」と。
またソルソレルは1オクターヴ12平均律で作られています。[要出典]
じゃあ……ねえ?
ソルソレル……ぶっ壊したくないですか?
オクターヴ……ぶっ壊したくないですか?
はい、てことで今回紹介するのはボーレンピアース音階です。
これは本当に奇妙奇天烈な音階で、純正三倍音を基準に、それを13等分するとか言うイカれた音階を持っています。
純正三倍音はドからソまでのことを言います。これをトリターヴとか言うらしいです。
ここから試し弾き出来るので試してみてください。
あ、iPhoneとかスマートフォンだと音が鳴らないかもしれません。
どうです? 奇妙な音階、してますよねえ。
じゃあSuとYuかYu♯を同時に弾いてみてください。
これはオクターヴでの平均律のドからドに値するのですが、なんか……気持ち悪くないですか?
(そうでもない……? せやろか)
これは普通オクターヴの平均律の周波数比が4:5:6という極めて安定した周波数比なのに対し、ボーレンピアース音階では3:5:7という周波数比(に近い音)を使うからですね。
このせいで周波数が2倍のオクターヴに近い音がなくなるのです。
だからSuとYuかYu♯を同時に弾いたときに、少なくとも音感のある人なら「キッショ、なんで響かないんだよ」ってなるわけですね。
(こらそこ! 平均律自体どことも微妙に響かないだろとか言わない!)
何言っているかわからない?
大丈夫です。僕も半分は理解していないでこの記事を書いていますから!
あ、詳しくはこの人の記事をご覧ください。
今回はだいぶ端折って説明していますので。
さて、12平均律はオクターヴ間の間で幾つかの音を使ってスケールを作ります。
メジャースケールとかマイナースケールとかドリアンとかミクソリディアンとかヨナ抜き音階とかがそれです。
ボーレンピアース音階はC, C♯, D, E, F, F♯, G, A, A#, H, J, J#, B, Cとなっています。
このうち、C, D, E, F, G, A, H, J, Bを使ってメジャースケールのようなものを作って、今回は言語を作っていきたいと思います。
まあぶっちゃけ九つ使うスケールならなんでも良い気がしますが
ですが、このままであるとオクターヴ間の平均律とごちゃごちゃになって、あまり好ましくありません。
そして記事内で触れられているノーテーション、ソルミゼーションについてあんまり個人的に納得がいかないので、新しいソルミゼーション*1 を作りたいと思います。
※1、ソルミゼーションとは「ドレミファソラシド……」のこと。
さて、C, D, E, F, G, A, H, J, Bは全部で九つです。何言ってんだ、当たり前だ? ですって?
まあまあ、聞いてくださいよ。
つまりですよ、九つ一つでセットで数えられるものをソルミゼーションに転用できるってわけです。
ということで僕が目をつけたのが太陽系です。
太陽系の惑星と、太陽を追加して九つになりますよね?
そんなこんなでこんな感じのソルミゼーションが完成しました。
C→太陽→Suno→Su
D→水星→Merkuro→Me
E→金星→Venuso→Ve
F→地球→Tero→Te
G→火星→Marso→Ma
A→木星→Jupitero→Yu
H→土星→Saturn→Sa
J→天王星→Urano→Wu (ワ行子音であるWを付けて混乱を避けた)
B→海王星→Neptuno→Ne
人工言語作者らしく、全てエスペラントから取っております、
これは他の言語だとCがsolとかになってしまい、末子音を除くとSoになり、12平均律の「ソ」と被るからです。
そんなこんなでス、ス♯、メ、ヹ(ヴェ)、テ、テ♯、マ、ユ、ユ♯、サ、ウ、ネ、ネ♯というソルミゼーションが出来ました。
うーん我ながら良い感じ!
本当は♯って記号もやめたいですが、良い案が思いつかなかったのでこのまま進めます。
さて、でもこのままでは白鍵との対応がイマイチです。
ということで♯を入れ替えてみましょう。
ス、メ、メ♯、ヹ、テ、テ♯、マ、ユ、ユ♯、サ、ウ、ウ♯、ネとなりました。
てことでここから試し弾きどうぞ。
まあ例の記事に書いてあったものを魔改造しただけなんですけど
なんか……奇妙な感じですよね。やっぱり。
さて、ソルミゼーションが出来たのでやっと言語を作成する土台が完成しました。
ここからは文法を考えていきましょう。
文字はラテン文字かカタカナを使います。
ラテン文字ではSu, Me, Ve, Te, Ma, Yu, Sa, Wu, Ne.
カタカナではス、メ、ヹ、テ、マ、ユ、サ、ウ、ネです。
ではここに『リズム』の概念を導入しましょう。
てことで『リズム』を表すなら休符を表す文字が必要です。
ラテン文字はエスペラントの「ripozi」から”Ri”を使い、カタカナでは「ン」を使うことにします。
『リズム』には長短の区別もあります。
今回は八分音符を基準にして、楽譜の表記を元にしていきたいと思います。
ここからはSu/スを例にします。
十六分音符は、Su/スッ
八分音符は、Sū/ス
付点八分音符は、Sūu/スゥ
四分音符は、Sű/スー
付点四分音符は、Sűū/スーゥ
二分音符は、Sǔ/ス〜
付点二分音符は、Sǔű/ス〜ゥ
全音符(一分音符)は、Sǔǔ/ス〜〜
とします。
で、タイの表現も必要です。
タイはイコールで表したいと思います。
そしてもう一つ、音楽といえば、のものがあります。そうですね、三連符とかの連符系です。
三連符などは、「[]」か「[]」で囲み、右側に「←3(2)」などと表示することにします。
例としてこのようになります。
[ソソソ]←3(2)
矢印は何連符かを表し、括弧は全体の長さです。つまり、これは二拍三連、つまり二分音符を三連符にしたものです。
さて、ここで『拍子』の概念を導入しましょう。
……どんどんソルソレルから離れていってないか? ままええか……
拍子は単純に◯/◯とかで表すことにし、単語の最初に置きます。
四分の一であれば1/4の後にコロンの塊を先頭に置きます。これは単語毎に置かなければなりません。
後に同じ拍子が続く場合だけ、ラテン文字であれば「,」、カタカナであれば「、」に置き換えることが出来ます。
テンポは自由です。でも、120ぐらいが聞き取りやすくて話しやすいんじゃないすか? 知らんけど。
じゃあ文法を作り込んでいきましょう!
さて、文法は大体以下の通りになりました。
品詞:性質詞、態詞、助態詞、助詞(格助詞も含む)、接続詞
格:題格/他格、活格/表格、非活格/裏格、陽格、陰格、上格、下格、内格、外格、起点格、到着格、共格
時制:過去、現在、未来、遠過去、遠未来、逆未来、非時間
相:完了、進行・継続、習慣・反復相、結果相、断続相、累積・成長相
法:直説法、命令・禁止法、連結法、仮定法、条件法
人称:一人称、二人称、三人称、四人称、五人称、六人称、七人称、八人称、九人称
態:能動態、受動態、使役態
VSO(T)-AN(但し、MSO-P1P2の方が正しいかもしれない)
じゃあこの言語特有の用語について解説します。
品詞
性質詞(Probablity)
性質詞は名詞とか形容詞の働きをします。
そのもの性質、特徴を表すことが殆どです。
態詞(Movement)
態詞は動詞や副詞の働きをします。
そのものがどう動くか、働くかを表すことが殆どです。
助態詞(Auxiliary Movement)
助態詞は態詞を助詞化したものです。
主に相、法、などを表します。
格
題格/他格(Theme case/Other case)
題格は日本語の「は」に該当します。つまり、主題を作るときに使われます。
題格は他動詞文では他格へと変化し、他動詞の主語を表します。
活格/裏格(Active case/Low case)
活格は日本語の「が」に該当しますが、自動詞性が高い方をこちらで表します。つまり、意思があることを示します。
活格は他動詞文では裏格に変化し、他動詞の目的語を表します。他動性が低い方をこちらで表します。
非活格/表格(Atactive case/High case)
非活格は日本語の「が」に該当しますが、自動詞性が低い方をこちらで表します。つまり、意思がないことを示します。
非活格は他動詞文では表格に変化し、他動詞の目的語を表します。他動性が高い方をこちらで表します。
陰格(Tail case)
陰格は日本語の「に」に該当します。間接目的を表しますが、他動性が低い方をこちらで表します。裏格が間接目的化したものです。
陽格(Head case)
陽格は日本語の「に」に該当します。間接目的を表しますが、他動性が高い方をこちらで表します。表格が間接目的化したものです。
上格(Above case)
何かの上にいること。つまり一番最初にイメージする処格のこと。ただ、この言語では位置を言い分けるため、違う名称を使っている。
下格(Under case)
何かの下にいること。つまり物や空間の下にいることを表す。
内格(Inside case)
閉じられた空間の中にいること。
外格(Outside case)
閉じられた空間にはおらず、その外にいること。
時制
遠過去(Distant past)
過去よりもっと前にある過去のことを表す。他の言語とは違い、遠過去にも完了形が付けられる。
遠未来(Distant furure)
未来よりもっと先にある未来のことを表す。
逆未来(Reverse future)
未来から見て過去を見ることを表す。
具体的には、未来に於いて、過去のものが教訓になっていたり、未来に於いて過去のものが未来にどう及ぼしているかを述べる時制である、
仮定法との違いは「もし〜だったらよかったのになあ」という感嘆を含むのに対し、逆未来は単に事実を表す。
非時制(Non Tense)
非時制は時制がないことを表す。
具体的にはある普遍的な事実、変わりようのない事実を表す。
相
断続相
何かが断続的に行われることを表す。具体的には継続・反復相が繰り返し一定、継続的に何かを行うのに対し、断続相は何かが乱数的に行われることを表す。
累積・成長相
何かがゆっくりと蓄積されることを表す。知識を蓄える/蓄えたときにも使える。
(人は成長する、など)
法
連結法(Conected mood)
連結法は〜だから〜であるのような理由を表す法を表す。単純な接続を表す。
他に、単独で使うことで〜であるのような言い切りを表すことができる。
非時制と違うのは不確定の事実に対しても使える。
人称
三人称(Third person)
この言語の三人称は他の言語の三人称とは少し違う。三人称の中でも談話に最初に現れたもののことを指す。
四人称(Fourth Person)
四人称は三人称の中でも談話に二番目に現れたもののことを指す。
五人称(Fifth person)
五人称は三人称の中でも談話に三番目に現れたもののことを指す。
六人称(Sixth person)
六人称は神のことを表す。
七人称(Seventh person)
七人称は普通人称として扱わないものを人間的に扱う為の人称である。擬人化的な用法である。
八人称(Eighth person)
八人称はいるかもしれない人のことを表す。いるかどうか不明瞭であり、少なくともこの場に存在しない人のことである。
九人称(Ninth person)
九人称はメタ的な人智を超えた人を表す人称である。主に物語上に現れるが、現実世界でも使うことができる。
ただ、その場合狂信的な意味を含む。
(「彼が脳波で頭の中を掻き乱している」のような)
さて……
ここまで出来ました。心残りがあるとすれば、線条性を破壊出来なかったことです。
このまま線条性を破壊するとなると、音楽理論が必要になってきます。
いや、出来るんですよ?
でも美しい響きにはしたいじゃないですか。
その為今回は見送りました。
ではもっと文法を作り込みましょう。
具体的には名前の転写はどうするのか、助詞とか助態詞はどうするのか、とか。
助詞と助態詞は前に置くことにします。
格助詞は以下の通りになりました。
一人称 | 二人称 | 三人称〜六人称 | 七人称 | 八人称 | 九人称 | |
---|---|---|---|---|---|---|
題格/他格 | 2/4:ンーヹー | 1/4:ンヹ | 2/4:ンーヹテ | 2/4:ヹンヹー | 2/4:ンーヹヹ | 2/4:ンスヹー |
活格/裏格 | 2/4:ンーテー | 1/4:ンテ | 2/4:ンーテテ | 2/4:テンテー | 2/4:ンーテテ | 2/4:ンステー |
非活格/表格 | 2/4:ンーユー | 1/4:ンユ | 2/4:ンーユテ | 2/4:ユンユー | 2/4:ンーユユ | 2/4:ンスユー |
陰格 | 2/4:ンマンマ | 1/4:ンマ | 2/4:ンマンテ | 2/4:ママンマ | 2/4:ンマママ | 2/4:ネマンマ |
陽格 | 2/4:ンスンス | 1/4:ンス | 2/4:ンスンテ | 2/4:ススンス | 2/4:ンススス | 2/4:ネスンス |
上格 | 3/4:ヹーウ〜 | 3/8:ヹウー | 3/4:ヹーウーネー | 3/4:ヹヹウ〜 | 3/4:ヹーウウーゥ | 3/4:ヹマウーマー |
下格 | 3/4:スーネ〜 | 3/8:スネー | 3/4:スーネーネー | 3/4:ススネ〜 | 3/4:スーネネーゥ | 3/4:スマネーマー |
内格 | 2/4:ンテーン | 1/4:ンッテンッ | 2/4:ンテーテ | 2/4:テテーン | 2/4:ンテーテ | 2/4:ンテママ |
外格 | 2/4:ンウーン | 1/4:ンッウンッ | 2/4:ンウーテ | 2/4:ウウーン | 2/4:ンウーウ | 2/4:ンウママ |
起点格 | 3/4:ユースーユー | 3/8:ユスユ | 3/4:ユースーユテ | 3/4:ユススーユー | 3/4:ユースーユユ | 3/4:ユマスーユマ |
到着格 | 3/4:ネースーネー | 3/8:ネスネ | 3/4:ネースーネテ | 3/4:ネススーネー | 3/4:ネースーネネ | 3/4:ネマスーネマ |
共格 | 3/4:ウーメーウー | 3/8:ウメウ | 3/4:ウーメーウテ | 3/4:ウメメーウー | 3/4:ウーメーウウ | 3/4:ウマメーウマ |
代性質詞はこんな感じになりました。
一人称 | 3/4:ス〜ゥ |
二人称 | 3/4:メ〜ゥ |
三人称 | 3/4:ヹ〜ェ |
四人称 | 3/4:テ〜ェ |
五人称 | 3/4:マ〜ァ |
六人称 | 3/4:ユ〜ゥ |
七人称 | 3/4:サ〜ァ |
八人称 | 3/4:ウ〜ゥ |
九人称 | 3/4ネ〜ェ |
複数化 | 1/4:ネ |
不定人称 | 3/4:ンスッンッン |
あ、見づらいのは許してください。
名前はアルファベット転写なんてしていたらキリがないので、全て意訳することにします。
ただその際、1トリターヴ上げることによって、解りやすくすることにします。
その際は(+1)という表記を後に付けます。
……ここまで考えてなんだけど、普通に楽譜の方がわかりやすくね?
ボレビ音階の楽譜ってどう作るんですか?(無知)
と、いうことで例文? いってみましょう。
例文
私は夕向奏です。
3/4:ス〜ゥ 2/4:ンーヹー 3/4:ンーマーユー(+1)2/4:ヹーマー(+1)2/4:サ〜(+1)
私はンーネーメーマウンーを話します。
4/4:ス〜〜 3/4:ス〜ゥ 2/4:ンーテー 2/4:ンーネー 1/4:メー 2/4:マウンー 2/4:ンーユテ
あなたはりんごを食べます。
4/4:テーヹース〜〜 3/4:メ〜ゥ 1/4:ンヹ 2/4:サユテウ 1/4:ンテ
私は音楽を弾きますが、歌も歌います。
2/4:サ〜 1/4:ンウッンッ 3/4:ス〜ゥ 2/4:ンーヹー 2/4:ンーネー 2/4:ンーテテ 1/4:サウ, 7/8:ンーネンテンー 2/4:サーンサ 1/4:テン
神が貴方のために歌を歌います。
7/8:ンーネンテンー 3/4:サ〜ァ 2/4:ンーテー 3/4:メ〜ゥ 1/4:ンマ
チカレタ……
頭がパンクしそうでした。どうしてこんな言語考えた……
まあ、可能性としてインストでも歌詞を作れる可能性があります。
ただその代わり音楽理論的にめちゃくちゃなメロディーになる可能性があります。
現代音楽的なアプローチかもしれません。
どっちみちボレビ音階でやる必要なくね?
御拝読ありがとうございました。
古い順のコメント(3)
陰格と陽格の説明文のどこかが誤字ってると思われます。
ほんとだ、直します
作者のコメント:もう二度とこの言語で文を作りたくありません(半ギレ)