Migdal

ふぃるきしゃ(FILUKISJA)
ふぃるきしゃ(FILUKISJA)

Posted on

ラルヴナン語文法まとめ

こんにちは! ふぃるきしゃです。今回は自作言語の一つであるラルヴナン語の文法をまとめます。ZpDICに登録済の内容と一部異なる部分がありますが、こちらが最新版です。ほぼ自分用なのであまり学習には向かないかも……。


概要

  • 「規則性・簡潔性・論理性の向上」を目的とした言語
  • L言語群の一つで、リヴァ語の後継言語
  • 全ての内容語は単一の品詞「内容詞」に包括される
  • 内容詞は子音から成る語根を持ち、それに最大6種類の接辞を付加することで単語を作る
  • 全ての内容詞は述語にも項にもなり得る
  • 述語は基本的に文頭に置かれるが、語順の自由度は高い

内容詞のスロット

内容詞は7つのスロットから成る。第4・5スロットは省略可能。内容詞が述語として使われる場合と項として使われる場合でスロットの意味が一部異なる。

○述語のスロット

  1. 第1格の人称と数、第4・5スロットの省略の有無
  2. 焦点、第1格の意志性
  3. 語幹
  4. アスペクト、時制
  5. 証拠性
  6. 階層
  7. 法、接続

○項のスロット

  1. 人称と数、第4・5スロットの省略の有無
  2. 焦点、焦点格の意志性
  3. 語幹
  4. アスペクト、時制
  5. 証拠性
  6. 階層
  7. 格、意志性

各スロットの接辞一覧


第1スロット

第1スロットはその内容詞の人称と数、また第4・5スロットの省略の有無を表す。内容詞が述語である場合は、その内容詞がとる第1格の項の人称・数と一致する。そのため、第1格は省略できる場合が多い。

人称 省略無 省略有 訳例・補足
無数 n- m- 指示対象がゼロであることを表す。英語の no
不定単数 h- 無標 不特定の一つのもの
不定複数 c- j- 不特定の複数のもの
全数 r- l- 全ての~、全部の
一人称単数 t- d- 私、僕、俺
二人称単数 f- v- あなた、君、お前
直接指示単数 k- g- 彼、彼女、それ。話者が直接知覚できるものを指示
間接指示単数 s- z- 彼、彼女、それ。文脈上に現れたものを指示
一人称複数除外 tr- dl- 私たち、僕たち、俺たち。聞き手を含まない
一人称複数包含 pr- bl- 私たち、僕たち、俺たち。聞き手を含む
二人称複数 fr- vl- あなたたち、君たち、お前たち。
直接指示複数 kr- gl- 彼ら、それら。話者が直接知覚できるものを指示
間接指示複数 sr- zl- 彼ら、それら。文脈上に現れたものを指示
疑問人称 cn- sm- 何か、どれか

ラルヴナン語の代名詞(?)
ラルヴナン語には、他言語の代名詞に相当する語根はない。代わりに、語幹に -n-「人物」や -p-「もの」を用い第1スロットを各々の人称に変えたものを代名詞として用いる。

smapas kapis?
これは何ですか?

helmaulas asfmiz danin.
猫が私を見ている。


第2スロット

第2スロットは、焦点と第1格の意志性を表す。
焦点は簡単に言えば態のようなもの。その内容詞がとる項の第1格と、焦点化された格を入れ替える。例えば -lm-「見る」という語幹は第1格に経験者、第2格に刺激を項としてとる。ここで第2格を焦点化すると、刺激が第1格、経験者が第2格で表されることになる。(格についての詳細は第7スロット[項の場合]の項目を参照)
意志性とは、述語が表す事象に対し、その項が意志的に参与しているかどうかを表す。第2スロットでは、焦点化された項の意志性を表す。
内容詞が述語である場合は、その内容詞がとる第1格の項の意志性と一致する。

焦点 非意志 有意志
第1格焦点 -a- -e-
第2格焦点 -i- -o-
第3格焦点 -ia- -ie-
第4格焦点 -iu- -io-
第5格焦点 -au- -ae-
様格焦点 -oa- -oe-
処格焦点 -oi- -ou-
時格焦点 -ea- -eu-
具格焦点 -ei- -eo-
共格焦点 -ua- -ue-
受益格焦点 -ui- -uo-
事象焦点 -ai- -ao-

事象焦点
事象焦点の内容詞は、「~であること」「~すること」という意味になる。述語としては用いられず、項でしか用いられない。事象焦点化された内容詞は述語と同様に、第1スロットの人称と数、第2スロットの意志性がその内容詞のとる第1格の項と一致する。

taftialas vaisfmin.
私はあなたが猫であることを知っている。


第3スロット

第3スロットには内容詞語幹が出現する。ここでは内容詞語幹の例をいくつか挙げる。訳例の文に現れる1~5の数は第1格~第5格を表す。

語幹 意味
-n- 1は人格を持った存在
-p- 1はもの、物体
-k- 1は生物
-c- 1は人間
-sfm- 1は猫
-mbr- 1はりんご
-lvn- 1はラルヴナン語
-lk- 1は2が好き、2は1にとって良い
-gr- 1は2を食べる
-lm- 1は2を見る
-ft- 1は2を知る
-cf- 1は2を読む、視聴する、閲覧する
-ct- 1は3についての本である2を書く
-lt- 1は2を3に与える
-lb- 1は2[言語]を話す

項における内容詞語幹の意味
上記の表を見れば分かるように、内容詞語幹の基本的な意味は述語的である。しかし、内容詞語幹が項として使われる時は、「~であるもの」「~するもの」といった名詞的な意味に変化する。項となった内容詞語幹も述語と同様に項をとることができるが、焦点化された格は項として出現しなくなる。

helmaulas asfmiz danin.
猫が私を見ている。

asfmas helmaulis danon.
私を見ているのは猫だ。

第2スロットの焦点を変えることで、「1に食べられるもの → 1の食べ物」や「1によって3について書かれたもの → 1が書いた3についての本」のような単語を作ることができる。

vegrar jigrin lasfmoz.
あなたは猫の食べ物を食べろ。

teltofas zictin danoz jakot venid.
私が書いた生物についての本をあなたにあげよう。


第4スロット

第4スロットは6つの相と4つの時制を表す。第4スロットは第5スロットと共に省略が可能(どちらか片方のみを省略することはできない)。

現在 過去 未来 通時 相の訳例・補足
単純相 -a- -i- -o- -e- 1回きりの動作。動作の場合、現在形では使用しない
習慣相 -ea- -ei- -eo- -eu- 習慣的な動作。「いつも~している」
反復相 -ua- -ui- -uo- -ue- 立て続けの動作。「何度も殴る」「数回ノックする」とか
未然相 -oa- -oi- -ou- -oe- 動作が行われる前の状態。「まだ~していない」「~しようとしている」
進行相 -au- -ai- -ao- -ae- 動作の途中経過。「~している」
完了相 -ia- -iu- -io- -ie- 動作完了後の状態。「すでに~した」

無標の -u-
相・時制を特に指定しない場合、または表示したくない場合は無標の接辞 -u- を使用可能。


第5スロット

第5スロットは10種類の証拠性を表す。話者の確信度に従い、それぞれ強意・中立・弱意の3段階を区別する。第5スロットは第4スロットと共に省略が可能(どちらか片方のみを省略することはできない)。

証拠性 強意 中立 弱意 訳例・補足
主観 -sl- -l- -kl- 話者の主観的経験。特に訳さない
客観 -sr- -r- -kr- 客観的事実や知識。特に訳さない
意志 -v- -f- -mf- 話者の意志や予定。主に未来時制で用いる
伝聞 -z- -s- -ns- 「~だそうだ」「~であるらしい」
知識推量 -g- -k- -nk- 知識に基づく推量
経験推量 -b- -p- -mp- 話者の経験に基づく推量
状況推量 -d- -t- -nt- 状況に基づく推量。「~であるようだ」
複合推量 -j- -c- -nc- 知識・経験・状況のうち2つ以上に基づく推量
仮定 -sn- -n- -kn- 事実でない仮定上の出来事。
無根拠 -sm- -m- -km- 特に根拠のない推量。話者の直感など

無標の -h-
証拠性を特に指定しない場合、または表示したくない場合は無標の接辞 -h- を使用可能。


第6スロット

第6スロットは「階層接辞」と呼ばれ、述語と項、項と項の修飾関係を明示する。
述語となる内容詞を第1階層とすると、述語の項となる内容詞は第2階層である。第2階層の内容詞がとる項となる内容詞は第3階層であり、さらに第3階層の内容詞がとる項となる内容詞は第4階層であり……というように、文は階層構造になっている。階層が下る度に、第6スロットの母音を交替させる。

階層番号 接辞 階層番号 接辞 階層番号 接辞
第1階層 -a- 第11階層 -io- 第21階層 -eu-
第2階層 -i- 第12階層 -ie- 第22階層 -ua-
第3階層 -o- 第13階層 -iu- 第23階層 -ui-
第4階層 -e- 第14階層 -oa- 第24階層 -uo-
第5階層 -u- 第15階層 -oi- 第25階層 -ue-
第6階層 -ai- 第16階層 -oe- 第26階層 -aqa-
第7階層 -ao- 第17階層 -ou- 第27階層 -aqi-
第8階層 -ae- 第18階層 -ea- 第28階層 -aqo-
第9階層 -au- 第19階層 -ei- 第29階層 -aqe-
第10階層 -ia- 第20階層 -eo- 第30階層 -aqu-

表のように、第26階層以降は半母音を挟みながら交替させる。

内容詞の並列
階層と格が同じ内容詞を複数並列させると論理積となる。

degras ambrin ilkin.
私は良いりんごを食べる。

なお、第1階層(述語)の内容詞は並列できない。


第7スロット(述語の場合)

述語の場合、第7スロットは法または接続(後続の文との論理関係)を表す。

接辞 訳例・補足
叙述 -s 平叙文、疑問詞疑問文
疑問 -f 諾否疑問文。疑問詞疑問文では用いられない
確認 -c 確認や共感を求める文。「~ですよね?」
命令 -r 命令文。通常、第1格は2人称になる
間投 -n 間投詞。または文法解説などで単語一つを例示する場合に使用
並列 -l 時間の前後関係を含意しない並列
過去 -lk 過去の出来事が後続する。「~する前に」
未来 -lt 未来の出来事が後続する。「~した後に」
同時 -lp 同時に起こる出来事が後続する
結果 -nk 結果を表す文が後続する。「~だから」
原因 -nt 原因を表す文が後続する。「~する理由は」
逆接 -mp 予想される結果に反する内容が後続する。「~だが」
前件 -st 条件を表す文が後続する。「~する条件は」
後件 -sk 条件によって起こる内容が後続する。「~ならば」
無条件 -sp 条件に拘わず起こる内容が後続する。「~に拘わらず」

第7スロット(項の場合)

項の場合、第7スロットは格と意志性を表す。
第1~5格は、他言語の主格や対格とは違って特定の意味は割り当てられておらず、内容詞語幹ごとに意味が異なる。
意志性は第2スロットでも表されるが、そちらが焦点化された項の意志性を表すのに対し、第7スロットはその内容詞を項としてとる述語に対する意志性を表す。

非意志 有意志 訳例・補足
第1格 -s -z 行為者・経験者を表すことが多い
第2格 -n -m 対象・主題を表すことが多い
第3格 -t -d 受容者・着点を表すことが多い
第4格 -c -j
第5格 -p -b
様格 -l -r 事象の様子
処格 -k -g 事象の起こる場所
時格 -f -v 事象の起こる時間
具格 -nk -sk 道具・手段
共格 -nt -st 随伴者
受益格 -mp -sp 受益者

おわり

これで最終形態になればいいな……(毎回言ってる気がする)

Top comments (0)