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矛盾と混沌
矛盾と混沌

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(本当に)動詞が無い人工言語!

[任意の踊り方で挨拶♪( 'ω' و(و"]!矛盾と混沌です。この記事においては私が作成した「動詞が無い」人工言語を紹介します!
やっぱ皆さん「動詞は必要だ!」って思ってらっしゃると思うんですよ。動詞を無くそうとした試みはいくつか存在してますけど、複雑化(例えば名詞と名詞の関係を幾つも定義したり)や行き詰まり(多義性にやられた)は免れてません。

そしてあるとき、一つのアイデアが浮かびました。「項と述語」、この概念から離れちゃおーと。

「項と述語」を超越せよ

「項と述語」って結構複雑な概念だと思うんですよ。動詞は、それ自体のみで絵に描けないし。なんでホモサピエンスの言語はこんなシステムを使ってるのだろうか。
より直感的でダイレクトな…より映像的に捉えられる言語体系がより合理的なのではないか!? というわけでこいつを作ったよ。

「存在、移動と因果」

用語の定義

物(thing,T):物や事(犬、カーテン、感情…)そのもの
単独だとその物の「存在」を意味する

動作(action,A):物が移動/変化すること。
T¹T²で「T¹がT²に移動する」を意味する
T¹だけでも「T¹が存在する」というAになる

事(event,E):動作が因果関係や時間関係で繋がる
A¹A²で「A¹が起こり、A²が起こる」を意味する

例見た方がわかりやすいので日本語風のを見てみよう!

猫。(T=A) 猫が存在する。
猫家。(T¹T²=A) 猫が家に行く。
我、猫家(T,T¹T²=A¹A²) 私は猫を家に帰す。

一見移動や因果じゃなく見えても,

魚猫。(T¹T²=A) 魚が猫に移動する=猫が魚を食う
我,飯。(A¹A²) 私があり、飯がある=私は飯を作る

そして、Thingに分類されない語も必要だよね

副詞:「~に」「~として」「~で」…。Actionに対する修飾
時制や法は副詞を使いましょう!
修飾詞:「~な」「~の」…。副詞あるいはThingに対する修飾
否定疑問詞接続詞分岐Thing節化…。

ちなみに、~は…である というようなコピュラ文は
副詞 Thing というように、「Thingが…として存在する」ことを言えばよい。
猫これ。 これは猫だ

さあ、こいつに基づいて人工言語を作ってみよう。

Haltamila語

物:語尾が母音
動作:動作の末尾にくる物の語尾を伸ばす
副詞:-l
修飾詞:-s
否定:zam
分岐:stem E¹ ram E² on E³
等位接続詞(and):e
疑問詞:ha(-l,-s)
関係代名詞:a E von
EventをThingとして扱う:o(-l,-s) E lon (内容などを説明,名詞節的な)

過去:caste 未来:scole 希望:selvo

追加の文法:なるべく語順で済ませたいので括弧構造は最小化します。
「Event全体にかかる副詞(場所、時間、法など)はEvent末に、Actionにかかる副詞(~として や局所的な場所など)はActionの前及び中に」置きましょう。

命令:Um E

文法はこれだけ!

音韻
/p t k b d g f s h ch[x] v z m n r l/,/a e i o u/
特殊な読み方:ca,cu,coではcは/k/、ce,ciではcは/s/として読みます。
子音の後のyは/i/、quは/k/…みたいなかんじです

アクセント
基本的に語末から二音節目です。しかし、Action末となるThingは語尾の母音にアクセントが来て、それを伸ばします。

代名詞とか:1人称単数 vari,1人称複数 assimo, 2人称単数cide, 2人称複数ange, 3人称単数男性le,3人称単数女性no,3人称複数mondo

例文

この動画で読み上げが聞けます

Aunzi hossó vari hossó.
湯 風呂 私 風呂
—風呂に湯を入れ、私は入浴する。

湯を浴槽に入れることと、入浴することすなわち自らを浴槽にぶちこむことは同じです。そうでしょう?

Cagnacá teonas centica assimó teches glocos ritecenó castel.
山 色々な 知識 私達 とても 良い 体験 過去
—山は色々な知識を私達に教えてくれて、とても良い体験であった。

~があり、知識が…に移動する で「~が…に教える」に相当する表現です。副詞を修飾詞で修飾できるのも重要です

Hachová haske gé trodes geoque varí sacril.
母   言葉 外 大きい 魚 私 昨日
—昨日母が私に魚を食べるよう言った。

話す=言葉を外に。

Rengé a styclecospá von ascis opcimé quebale lé castel.
人間 ( 人工言語 ) 悪 王 罰 彼 過去
—人工言語を作る人間がいたので、悪い王様は彼を罰した。

日本語でも「罰を与える」っていうよね!人工言語作る人間を罰する王…なんて悪い奴なんでしょうか。

Teldosoro cacol vasté hoblal desté.
太陽神 足 他 炎 大地
—太陽神が歩いて大地が燃えた。

私が作った例文集の一番最初の文をちょっと変えたものです。

Cemostas egactel eudol varí.
ケモ少年 遠く 運動 私
—ケモノの少年から離れたところでスポーツをしていた。

私が作った例文集の例文です。矛盾と混沌はケモナーじゃないよ!

Scocel filipinos goví varis stuivocó scolel.
本 フィリピノ語 単語 私 記憶 未来
—私は本でフィリピノ語の単語を覚えるだろう。

副詞を手段を表すのに使ってます。ちなみにこの言語の副詞はフィリピノ語の"Sa形"と呼ばれる用語(場所や手段や方向など色々表せる)がモデルです

Ah, equito-eivol varí scolel. Ah, varí zam bennasié selvol.
ああ 化石 私 未来. ああ 私 否定 不都合 希望
—ああ化石になってしまうだろう。ああ、不都合を無くしていたい。

きゅうくらりん-いよわ

Reis desco zam ninos e varis cogló.
これ 物語 否定 全て と 私 考え
—この物語は、僕を含めて誰にも理解できないだろう。

こちらはきなこもちさんの例文からです。この例文集おすすめです
人工言語で訳してほしい例文集

Cogló ol escochel assimos semcastá lon.
考え [ 食事 私達 命 ]
—我々は食事のために生きているのだと思う。

これも私の例文集からです。この文の形式は「『食事の為に我々の命がある』という考えがある」というものです。

Nosfeté varis actasmos cache lé castel.
泥棒 私 主人 金銭 彼 過去
—泥棒は私の主人から金銭を奪ってしまった。

移動であることがよくわかる

Caustil beoná vari geoque beoná.
可愛さ 猫 私 魚 猫
—猫は可愛いので私は猫に魚をあげた。

因果なので「~ので」のような表現にぴったり

まとめ

動詞が無くても言語は成り立つことが分かりましたね。こいつで言語学に転回を起こすつもりです。あとこの人工言語見ての通りロマンス諸語っぽい見た目にしました。結構綺麗だと自語自賛してます。
以上。みんなも特殊な人工言語を作ろー

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