みなさまこんにちは! さざんかです。
今回はこちらのぷかさん(で読み方あってるのかな……?)主催のdiscordサーバー、通称苔バベルで主催してくださった苔バベルのアドベントカレンダー(の趣旨に沿って私さざんか以外が作者の人工言語についてお話していきたいと思います。
skytomoさんが主催の言語界隈用アドベントカレンダー(が埋まったことでアドベントカレンダーが増えたわけですが。なかなかに感慨深いですね……人工言語界隈の明るい未来に幸あれ!(by最近界隈にあんまり顔を出せていないさざんかより)
というわけで
というわけで何をテーマに書いていこうか……ということになりまして。今回は苔バベル鯖の趣旨に従って「他の方が作者の人工言語」をテーマには書いていくということになったわけですが、そもそもさざんかはどちらかというと学習者寄りではなく、作者寄りなんですよね。まともに読み書き話し聞きできる言語が全然ない。なんてこったい。
……そこでさざんかは思いました。「私が参加している亜空世界の言語、リストにある割には人工言語界隈の皆様がほぼほぼ知らないのでは?」、「これらの言語の個人的推しぽいんつ達を紹介していけばよいのでは?」……と。
今回のテーマ
そんなこんなで、今回は亜空世界の言語たちのお話をしていくわけですが。まあ全部探すのはそれはそれは大変なので、基本的にはこちらの言語の一覧からまとめていこうと思います。
もっとも、私が知っている言語については、ここに上がってなくても書いていくんですけどね。ただし、私が担当しているフェルーリエ語や紆余曲折を経て同じく私が担当することになったシヴェロ語などについては、今回の趣旨からは外れてしまうので、また別の機会にたっぷり愛をこめてまとめようと思いますまる
なお、ここに書いてあるのは私が確認した時の情報なので記事公開までや公開後にここから変化がある場合もあります。創作が進んだという意味なのでご了承ください。
また、この記事では亜空世界にあるすべての言語を網羅しているわけではありません。そういうわけなので、より詳しく知りたい場合は亜空世界wikiをご覧ください。
アルト・ドゥール語族
ドゥルグ語
こちらは我らが相州さんが作った言語のひとつですね。
子音音素多め! 母音調和あり! なかなかによきよきな言語です。人称代名詞は語幹が事実上子音1文字だけだったり、一人称と二人称では対格が、三人称では具格が単数と複数で語形が同じというこのエモさ。英語もそうと言われたらそうですがまあ。
デオッタ・イルパス語族
デオッタ・イルパス祖語
破裂音が有声無声と有気無気の四項対立をしているところとか、ふるえ音と接近音のrが区別されてるのとかよい。硬口蓋とか口蓋垂もあるし。そして後舌狭母音が円唇非円唇で対立していたりと祖語特有の音素がたくさんあるのよい。
そしてあふりかんな名詞性もよきです。何なら比較されているのすき。
デオッタ語
破裂音と破擦音に有気音ある現代語設定なのぽいんと高い。何なら祖語になさげだった吸着音あるのほんとすき。
西イルパス語
非対称な母音表よい。祖語から名詞クラスが増えていたり、名詞クラス示す部分が規則的かなと思っていたら途中から不規則になっていくのえもえも。直接目的の格助詞が接周辞なのよき。極めつけは八進数と十二進数の組み合わせ~いえい。
ウドゥルグ・ラプログ語族
エスチェルデ語
我ら(おおくの方にとっては除外複数形の方です。はい)がぷちぷちん総監(亜空世界のトップのおかたです)が作ってくださった言語です。言語勢ではないのに、です。音韻はわりとノーマルですがそれがまた実家のような安心感。そしてとっても素敵なカファレア文字を見ると異国情緒がそそられますね。
ニグラ語
こちらは我ら(一人称複数包括形)がスライムさんの担当国家ニグラシオの公用語。スラヴみを感じますが、ここからどのように発展していくのか楽しみです(ものすごーくうっすら圧をかけたり、はしていませんからね……っ?)。
レスコヴィ語
音韻は一見普通……に見えてこっそりと側面摩擦音が紛れ込んでいておしゃれ。そして対格と不定格を使い分けていくところがよきよき。うっかり読みふけってしまうとカファレア文字を覚えてしまいそうな変化表。作り込みの高さ……すてき言語……! 作者のchamatsuriさんはおそらく人工言語界隈外の言語職人か言語民かいずれにしてもなかなかつよつよな方だと思ってます(裏は取ってません)。
ガフィーク語
こちらも人工言語界隈外の言語つよつよの方のおひとかたであるLatina tanさん(discord上などでは別名義で活動されているのですが、wikiの名義で)が作った言語で作り込みが激しいです(現在は国家担当を降りられているので記事はアーカイブ化されております)。子音浮揚の現象とか、生産的な接辞がたくさんあるのとかもはや職人芸ですよ……控えめに言って神。
最後の方に例文もありますし、もはや私の語彙力の方が圧倒的に足りない状況になってます。
ヴァラリア語派
え? ここに来てなぜ語派がでかでかと書かれているか、ですって? 実はヴァラリア語派、どこの語族に属するか、単一の語族なのかメタ的にまとまっていなくてこんなことになっています。
なお作者は上述のガフィーク語の作者であるLatina tanさんです。亜空はその性質上、言語制作勢ではない方もたくさん所属しているので、言語を作れる人が作ったりということがままあるわけです。
ヴァラリア語
変な音がなく、初心者が運用できるようにとする方向性の言語。わりと簡単にするのって難しいのでつよつよだな~と思いながら眺めたりしてしまいます。
クリトン語族
クリトン語
体系立った助詞、よき。そして直線的で洗練されてる感じのクリトン文字、すき。
ハーフェントラント語
ほぼほぼクリトン語と同じ? と見せかけて語順重視の孤立語属性がつよつよな言語でいとおしい。そして転写する時にキリル文字が混ざって使われるのがアクセントになってこれまたおいしい。
ジャユ語族
サンドラヤ語 (文法はこちら)
最初に出てくるのが音節構造なのがいきなり本格派でこの時点で頭の中で「!!!!!」とエクスクラメーションマークが踊り出してしまう言語。共鳴子音に有声無声の対立のあって、この時点ですきすぎるし、その上時には無声の鼻音が有声化するという二重のおいしさですき。
セスキシラブルとか法助詞とか、とてもよい。なおこの時点で職人芸なのですが、作者の閲覧者さん(discord上では別のお名前で活動されているのですが出して大丈夫か迷ったのでwiki編集用のお名前で……)はもっとすごい言語を作っているんですよね……(後述)。
トラヴ・テルモー語派? 語族?
実はヴァラリア語派同様にまだ決まっていないんですよね。
ストラヴァン語
一見普通? と見せかけてコピュラが文頭に置かれたり、あと「小さな」を意味する貫通接辞が歴史を経て複雑に変化するようになってそうなのがすきです。
余談
ちなみに私の作っているフェルーリエ語もここのグループに入る予定ですが今回は省略です。それでは続きをお楽しみください(唐突なCM)。
ダハレジネ語族
まずこの語族の言語はダハルとナレジアという国で話されているのですが。……この二つの国、東北アジアとヨーロッパぐらいの距離感があるんですよね。ロマンとリアリティの共存する創作が亜空世界のやり方ですがもはやこの語族は存在自体が言語勢にとってのロマンの塊すぎて尊みがすぎるんですよね。最高。
ダハル語
母音調和があるのですが、二重母音にも母音調和! と書かれるおかげで見ているだけで楽しくなってきてしまいます。反り舌と歯茎硬口蓋の摩擦音の対立があることにもニマニマしてしまいますが、何より有声声門摩擦音があるのに同じ調音点の無声摩擦音がないのとか最高すぎる。
音節末子音も限定されていたり、軟口蓋だけ破裂音がOKなのとてもすき。
ナレジア語
同じダハレジネ語族の言語というだけあって、母音調和や有声声門摩擦音があったりこの時点でエモいのですが。円唇前舌広母音があるのとか硬口蓋子音が発達しているのとか口蓋化があるのとか、側面摩擦音とか素敵音素のカーニバル!
ヨウフォン語族
ヨウハン語
作り込みが激しすぎて私の語彙力が「すき」の一言まで減ってしまう。まず禁則音韻列(禁避音)があるのがすでにポイント高い。有気摩擦音もあるし、日本語と同じように被服形と露出形での変化があるのも作り込みつよつよ。オリジナルの文字も漢字みがあるけれど漢字ではなくてすき。
動詞も不定詞に終結形と連結形の区別があったり、後置詞と格接尾辞が共起しなかったり、本当に職人芸がすぎる。ちなみに作者のCarbon13さん作の亜空言語は他にもあるのですがそれはまたのちほど……。
アルディーク語族
インゼ語
こちらも先ほど紹介したガフィーク語の作者のLatina tanさんが作成した言語です、が。そこはかとなく漂うゲルマン風味を出せてしまうのがつよすぎる。安心安全のウムラウト化はもちろんのこと、格変化に名詞と形容詞の格一致。そして男性名詞女性名詞動詞の人称&数での活用などなど数々のヨーロッパみ溢れる言語がもう最高すぎる。神。
ラフカ語
/k/にあたる文字について語末とそれ以外で綴り字が変わっていくスタイルとか、/i:/だけ他の長母音と違ってyで書いたりとか、綴り字部分の変則的な感じがすき。格もたくさん残っていて、現代語なのに古典みがあるのも懐古感があってロマンチック。
イシュテルヴィア語
ほぼ変化規則が優しくなったインゼ語? と思いきや実は不規則動詞が入っていたり(この記事書くために読んでて気づいた)と細かいこだわりがすき(こちらもLatina tanさん作です。方言生み出しちからつよい)。
西アルトス・インゼ語
こちらも我らが相州さん作。動詞の人称活用がなくなったり、名詞が主格と属格だけになったりとイシュテルヴィア語よりもやさしさがつまっていてすき。
ウォール・インゼ語
こちらはインゼ語の作者Latina tanさん作で西アルトス・インゼ語と同じく単純化されたインゼ語。世界各地で色々と違う方法で文法などなどが単純化されるインゼ語のかわいいがすぎる。
シェノッピ語
アルディーク語族に入れていいのかややびみょうかもですがいちおうここに。インゼ語のクレオールというこれまた聞くからに素敵な言語。語末が開音節気味だったりインゼ語との違いすきすきだいすき。双数とか三数とかもう尊みが止まらない。
この言語の作者もサンドラヤ語の作者の方なのでつよい職人芸なのはそれofそれなんですよねすき。
クニューン語族
クニューン語
はいきました我らが相州さん作の亜空が誇るとうとみが過ぎる神言語のひとつ(だとさざんかは思っている)。放出音や鼻音化破裂音?(無知さざんか)といった豊富な子音に成節的子音。名詞クラスに格変化。動詞の活用はスロットに大量の接辞を付加して……とwikiを流し見しただけでも神言語というのがわかってしまう作り込みの激しさ。
能格言語というのもポイント高いですし挨拶表現も文化的性質が伝わって来るの読んでいて最高。語幹の母音を入れ替えることでクラスを変えたり、クラスに形容詞や動詞が一致したり……どこをどう切り取っても神。いつかかいせつがきけ(以下けんえつずみ)
その他 語族の設定が不明な言語たち
シェン語
有声無声有気音の対立の時点で良言語感漂っているのですが、頭子音が原則単子音の中で「鼻音+有気音」が認められているのすきですし。
母音調和があったり硬口蓋音と喉音が特定の母音とのみ結び付いたりする「君たちもとは同じ音素だった?」と聞きたくなる要素が紛れ込んでいたりして比較言語学がしたくなってしまいそうな音韻体系が最高です。
トリーニ語
音素について聞いた時の私の感想は「その発想はなかった」となった素敵な言語です。
単独の音素/a/(厳密にはいわゆる広母音)がないのと、あと後ろに母音が続くかどうかで子音の発音が厳密に異なっているというのが異国情緒がすごく溢れていてすき。
ティニャール語
相州さんが作ったクニューン語同様に亜空が誇る神言語のひとつです(とさざんかは思っている)。亜空世界は基本的に国家を創作するプロジェクトなのですが、この言語はなんとそんな創作団体の書いた記事の中で堂々の第8位に入っている(2024年12/1現在)言語で、記事のバイト数圧巻の95000バイト超え。もうこれだけで格(言語のではなく)が違いすぎて圧倒的につよくて神(参考までにクニューン語が52000バイトぐらい、さざんかのフェルーリエ語は39000バイトぐらいです。はい)。作者はこれまでに出てきたサンドラヤ語やシェノッピ語の作者である閲覧者さん。
文化的な背景がきっちりと書かれていることはもちろんのこと。音素の自由異音や子音クラスタ、アクセント位置といった音韻論。語形変化や使役逆受動などの文法。文化的な間投詞、もはや専門職の神研究者が書いた論文。
詳細に読んでいったらたぶん無限に時間を溶かせると思います。神。
ホロ語
先ほど登場したヨウハン語の作者であるCarbon13さん作のポリネシアンな開音節言語みが強く出ている言語。すき。音韻こそシンプルですがそれが深みをもたらしてくれるし、名詞性と意味が対応していないのとてもよき。
例文まで出てるのもはや最高。
まとめ
いかがでしたか(まとめサイト風締め)? こんな感じで亜空世界には言語が溢れていますし、何ならここにまとめていない言語も色々とあります(作者が私以外の言語ももちろんあります)。
アドベントカレンダー用に急遽書いた記事なので色々とあれな部分もあるかもですが、素敵な言語だらけなので、ぜひ亜空wikiの中を眺めていただけたらと思います(何ならダハレジネ語族のように、亜空世界内のことをより知ることでエモさがぐっと上がる言語もあります)。
というわけで以上、さざんかがお送りしました! それではまたそのうち。お読みいただきありがとうございました……!
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