Tsuchifudeでございます。わたしが現在作っているテー語(旧称・ヌテランド語)を紹介したいと思います。制作が始まったばかりの言語なので整った解説はできませんが、それでもよければどうぞ見ていってください。
※このページの内容は古いです
テー語のコンセプト
そもそもまだコンセプトもよく定まっていませんが、言語の方向性としては「漢語・タイ語リスペクトの声調言語」です。音韻体系には声調・母音の長短の区別・成節子音となる鼻音・前鼻音化子音などわたしの好きな要素を詰め込んでおり、かつ普通話っぽい響きにはならないように調整しています(普通話も好きなのですが、エキゾチックさに欠ける気がしたので)。
作る目的は以前の言語創作論および質問の記事で述べたとおりです。
単語のつくりかた
音韻について語るまえに、単語のつくりかたから説明せねばなりません。
「テー語」は、2022年ごろまでつくっていた「バター語」と同じ語族(バタール語族)・違う語派(前者はヌデッレ語派、後者はヌテラ語派)に属する言語であり、一部の語や形態素(おもに基本的なもの)はバター語の単語から祖語での形を再構し、そこからまた音変化させてつくっています。「同根語なのに形がだいぶ違う」という状況を好むので、バタール祖語の母音や子音はバター語・テー語よりも多く、両言語において違う形で実現しているものも少なくありません。(例:*yはテー語では/y/、バター語では/i/となった)
音韻
現代のテー語はいまのところ27の子音、9(成節子音を含めると11)の単母音、7の二重母音、8の声調(一部の単母音・二重母音には対応する鼻母音も存在)をもちますが、これらは増減する可能性があります。とくに二重母音はこれから増えると思われます。
子音:p pʰ b mb m t tʰ nd n s z ts tsʰ ʃ tʃ tʃʰ ɹ̥ ɹ l̥ l j k kʰ ŋg ŋ h w
つづり:p ph b mb m t th nd n s z ts tsh sh ch chh hr r hl l yh k kh ngg ng h w
音節末に立つ子音:-p -m -t -n -k -ŋ -ʔ(p, t, kは内破音)
つづり:-p -m -t -n -k -ng -h
単母音:i y e ø ɛ u ɔ ɑ ə m ŋ( 一部は対応する鼻母音を持つ)
つづり:i y e eu ae u o a e: m ng
※末子音が-m, -n, -ŋ, -p, -t, -kである音節では、ɑとeに長短の区別があります。
二重母音:iɑ ɛø uø uɑ oe ou ɑːi (一部は対応する鼻母音を持つ)
つづり:ia aeo ueu ua oe ou aai
※ouは必ず末子音-t, -n, -k, -ŋ, -ʔを伴います。
声調:第一声(31)、第二声(55)、第三声(22)、第四声(33)、第五声(45)、第六声(22)、第七声(21)、第八声(45)。第五声と第六声は-p, -t, -k, -ʔで終わる音節にのみあらわれます。
旧書法
テー語には新書法と旧書法があります。新書法は現代の発音にもとづいたもので、旧書法は過去(何年前かなどは未定)の発音に忠実なものです。
たとえば新書法でza8(動詞 ~の中にいる/前置詞 ~の中で)と書く単語が旧書法ではtʰglɑsというつづりになったりしてそれはもう大変ですので、この記事で現代テー語を提示する際には新書法のみで書くことにします。
音変化──声調について
テー語は単音節語が多くなっていますが、それは近隣の言語(詳細は未定)と激しく接触したことで、ヌデッレ祖語の2音節以上の語も1音節に縮まったからです。声調は音節末-s, -z, -h, -ɦ, -ʔの消失によって生じ、先頭の音節の脱落や頭子音の有声・無声の区別の喪失にともなって分裂しました。
第一声…旧書法の段階で単音節であった語で、頭子音が有声だったもの。
第二声…旧書法の段階で単音節であった語で、頭子音が無声だったもの。
第三声…旧書法の段階で2音節であった語で、消失した第1音節の頭子音が有声だったもの。
第四声…旧書法の段階で2音節であった語で、消失した第1音節の頭子音が無声だったもの。
第五声…末子音が-p, -b, -t, -d, -l, -k, -g, -x, -ɣであった語で、第1音節の頭子音が有声だったもの。
第六声…末子音が-p, -b, -t, -d, -l, -k, -g, -x, -ɣであった語で、第1音節の頭子音が無声だったもの。
第七声…末子音が-(C)s, -(C)z, -(C)ʔ, -(C)h, -(C)ɦであった語で、第1音節の頭子音が有声だったもの。
第八声…末子音が-(C)s, -(C)z, -(C)ʔ, -(C)h, -(C)ɦであった語で、第1音節の頭子音が無声だったもの。
次回予告
次回は、子音と母音の音変化についてつづります→予定を変更して、音韻体系のこだわりポイントについて書きました。ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。
古い順のコメント(0)