お題
自然言語には発話の構成要素が初めから終わりに向かって一次元的に配列されているという線条性と呼ばれる性質があります。
ここで、線条性に抗い、二次元的な言語を作ってみてください。(もっと多次元的な言語を作れるというのなら、それも可能です)
目次
Falīta語の概要
文字と記号
文法事項
1.構造
2.品詞の語尾
3.時制
4.疑問文
5.文の接続
例文
単語帳
Falīta語の概要
Falīta語は一般的な言語のように一文に単語を並べるのではなく、縦または横に並べ、それらを線で結ぶことで文を表現することが出来る。
また、一重線と二重線によっても意味が変化する。
文字と記号
母音 | 子音 | 罫線素片 | 罫線素片 | 罫線素片 |
---|---|---|---|---|
a | k | ─ | ═ | ╪ |
ā | f | │ | ║ | |
i | n | ├ | ╠ | |
ī | l | ┼ | ╫ | |
u | v | ┌ | ╔ | |
ū | t | └ | ╚ |
文法事項
1.構造
・Falīta語において、一文を書くには複数行必要である。それぞれの行の役割は主に以下の通りである。
第一行目:動詞 + 動詞の修飾語
第二行目:主語 + 主語の修飾語
第三行目:目的語 + 目的語の修飾語
また、一般的な言語とは違い各単語の間には「 (スペース)」ではなく「─(一重の罫線素片)」を用いる。
・修飾語を書く場合は、被修飾語と修飾語が繋がるように線を書く。
Falīta語の構造
┌V─M
│├M
│└M
┼S─M
│├M
│└M
└O─M
├M
└M
例文と単語を日本語に置き換えた時の例を挙げる。
Ex) 私の父はよく徒歩で小さな公園に行く。
・Falīta語
┌Flav─annūvt
│└tilv─kalatta-vanlu
┼Vanlu─kalin
└Unān─fift
・単語を日本語に置き換えた際
┌行く─よく
│└使う─足─父
┼父─私の
└公園─小さな
このように動詞、主語、目的語を軸として、修飾語は被修飾語の後ろにつけられる。
・A≠Bを表すとき、罫線素片を二重線にすることで表現できる。
Ex) 私はよく小さくない公園に行く。
┌Flav─annūvt
┼Kal
└Unān═fift
Ex) 私はよく小さい公園に行かない。
╔Flav─annūvt
╬Kal
╚Unān─fift
Ex) 私はたまに小さい公園に行く。
┌Flav═annūvt
┼Kal
└Unān─fift私:qal、小さい:fift、公園:unān、小さい:fift
2.品詞の語尾
・一部の品詞は語尾が決まっている。以下のとおりである。
品詞 | 語尾 | 例(訳語) |
---|---|---|
動詞 | v | flav(行く) |
形容詞 | ft | fift(小さな) |
副詞 | vt | annuvt(よく、頻繁に) |
3.時制
・動詞に接尾辞、又は動詞を二回繰り返すことで表現できる。
・単語が短い場合と長い場合で表記方法が違う。
・短い場合(含まれている母音の数が2個以下)
時制 | 表記方法 | 例(訳語) |
---|---|---|
現在形 | 動詞の原形 | flav(行く) |
現在進行形 | 現在形の動詞を二回繰り返す | flavflav(行っている) |
過去形 | 原形に「ul」をつける | flavul(行った) |
過去進行形 | 過去形の動詞を二回繰り返す | flavulflavul(行っていた) |
未来形 | 原形に「ikk」をつける | flavikk(行く予定だ) |
未来進行形 | 原形に「ikkin」をつける | flavikkin(行っているだろう) |
・長い場合(含まれている母音の数が3個以上)
時制 | 表記方法 | 例(訳語) |
---|---|---|
現在形 | 動詞の原形 | navītav(祈る) |
現在進行形 | 語尾の二音を繰り返す | navītavav(祈っている) |
過去形 | 原形に「ul」をつける | navītavul(祈った) |
過去進行形 | 現在進行形に「ul」をつける | navītavavul(祈っていた) |
未来形 | 原形に「ikk」をつける | navītavikk(祈る予定だ) |
未来進行形 | 原形に「ikkin」をつける | navītavikkin(祈っているだろう) |
4.疑問文
・諾否疑問文の場合、主語の修飾語の最後に「?」をつける。
Ex) あなたは医者ですか?
┌Tīnav
┼Nal─?
└Ni─tilv─faltāk
存在動詞:tīnav、あなた:nal、人:ni、使う:tilv、医療的な知識:faltāk
・疑問詞疑問文の場合、疑問を提示するところを疑問詞「ia」に変え、主語の行の最後に「?」をつける。
Ex) あなたの職業(役割)は何ですか?
┌Tīnav
┼Nal─?
└Ni─vav─ia
存在動詞:tīnav、あなた:nal、人:ni、する:vav
5.文の接続
・二つの文を合わせるとき、二つの文を繋ぐように線をひく。
・「AかつB」を表すとき、そのまま繋ぐ。
Ex) 私は医者であり病院で働いている。
┌Tīnav
┌┼Nal
│└Ni─tilv─faltāk
│┌Taunav
└┼Nal
└Tuv─faltākakt
存在動詞:tīnav、あなた:nal、人:ni、使う:tilv、医療的な知識:faltāk、働く:taunav、場所を表す前置詞:tuv、病院:faltākakt
・「AだがB」を表すとき、繋ぐ線の中間に「╪」を入れる。
Ex) 私は医者だが病院で働いていない。
┌Tīnav
┌┼Nal
│└Ni─tilv─faltāk
╪
│╔Taunav
└╫Nal
╚Tuv─faltākakt
存在動詞:tīnav、あなた:nal、人:ni、使う:tilv、医療的な知識:faltāk、taunav:働く、tuv:場所を表す前置詞、faltākakt:病院
・「AならばB」を表すとき、繋ぐ線の中間に「┼Ln」を入れる。
Ex) もし私が医者なら病院で働いている。
┌Tīnav
┌┼Nal
│└Ni─tilv─faltāk
┼Ln
│┌Taunav
└┼Nal
└Tuv─faltākakt
存在動詞:tīnav、あなた:nal、人:ni、使う:tilv、医療的な知識:faltāk、taunav:働く、tuv:場所を表す前置詞、faltākakt:病院
・「AのときB」を表すとき、繋ぐ線の中間に「┼Lik」を入れる。
Ex) 私が医者であったとき、病院で働いていた。
┌Tīnavul
┌┼Nal
│└Ni─tilv─faltāk
┼Lik
│┌Taunavul
└┼Nal
└Tuv─faltākakt
存在動詞:tīnav、あなた:nal、人:ni、使う:tilv、医療的な知識:faltāk、taunav:働く、tuv:場所を表す前置詞、faltākakt:病院
・「AだからB」を表すとき、繋ぐ線の中間に「┼Lat」を入れる。
Ex) 私は医者だから病院で働いている。
┌Tīnav
┌┼Nal
│└Ni─tilv─faltāk
┼Lat
│┌Taunav
└┼Nal
└Tuv─faltākakt
存在動詞:tīnav、あなた:nal、人:ni、使う:tilv、医療的な知識:faltāk、taunav:働く、tuv:場所を表す前置詞、faltākakt:病院
例文
Ex) 私はアイナだ。
┌Tīnav
┼Kal
└Aina
私:kal、アイナ:AinaEx) あなたたちは学校で鉛筆を使いましたか?
┌Tilvul
┼Nāl─?
│└tuv─īnalakt
└Natilt
あなたたち:nāl、学校:īnalakt、鉛筆:natilt、使う:tilv
単語帳
<代名詞>
単語 | 訳語 | 所有格 | 複数形 | 複数形所有格 |
---|---|---|---|---|
kal | 私 | kalin | kāl | kālin |
nal | あなた | nalin | nāl | nālin |
lil | それ | lilin | līl | līlin |
<動詞>
単語 | 訳語 | 備考 |
---|---|---|
tīnav | 存在動詞 | |
flav | 行く | |
navītav | 祈る | |
kanūv | 食べる | |
fīttav | 持つ | |
tilv | 使う | |
vav | する | |
īnalv | 勉強する | |
taunav | 働く |
<形容詞>
単語 | 訳語 | 備考 |
---|---|---|
fift | 小さい | |
nūft | 美しい | nūk(月)より |
<副詞>
単語 | 訳語 | 備考 |
---|---|---|
annuvt | よく |
<前置詞>
単語 | 訳語 | 備考 |
---|---|---|
tuv | 場所を表す |
<名詞>
単語 | 訳語 | 備考 |
---|---|---|
Falīta | 接続 | |
vanlu | 父 | |
unān | 公園 | |
kalatta | 徒歩 | |
nūk | 月 | |
ni | 人 | |
faltāk | 医療的な知識 | |
natilt | 鉛筆 | |
faltākakt | 学校 | faltāk(医療的な知識)+akt(施設) |
īnalakt | 学校 | īnalv(勉強する)+akt(施設) |
akt | 施設 |
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