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新エスルーデャ語 4. 形容詞

こんにちは。蘆名院(Asinine)でございます。今回はエスルーデャ語の形容詞について解説していこうと思います。形容詞の用法については比較的簡単な部類ですので、理解しやすいと思います。

目次

曲用

エスルーデャ語の形容詞の原級は -a で終わり、最後の母音を変えることによって等級や品詞を変えます。以下、曲用表です。

形容詞 副詞
原級 -a -e
比較級 -o
最上級 -u -i

曲用例)susfa 眠い

形容詞 副詞
原級 susfa susfe
比較級 susfo susfö
最上級 susfu susfi

用法

形容詞は名詞の直後、副詞は動詞の直後にそれぞれ置かれる。

ahjl susfa 眠い人

vjezöté susfe vöst. 私は眠いながらも働いた。

比較級、最上級を使う場合はそれぞれ zhj, os を伴うことがあります。

aláj sis susfo zhj sö. 彼は私より眠い。

vjezöté susfi sest os vöt. 彼は私たちの中で最も眠そうに働いた。

構造

エスルーデャ語の形容詞の構造は、「語幹(動詞から活用語尾を除いたもの)+相を表す子音+曲用語尾の母音」となっています。これらは形容詞の名詞化、形態素化をする際に深くかかわってくるので、造語する時は注意しなければなりません。

含まれる相は起動、動的、完了の3つで、つながれる語幹に最後の子音によって相を表す子音の種類が変わってきます。以下、形容詞の造語規則表です。

有声子音

起動 動的 完了
v fs vl vd
z sjf zjn zjd
d ts dr dg
g kjf gjn gjd

無声子音 

起動 動的 完了
f fs fl ft
s st sn st
t ts tr tk
k ks kr kt

その他

起動 動的 完了
m mf ml mm
n ns nn nd
l lf ln lm
r rs rr rg
j jf jn jm
h hf hl hk

例)
rekjfa 嫌いな(起動:拒絶し始める)
difsa 明瞭な(動的:見えている)
sarga 少ない(完了:減った)

規則と言うには煩雑に見えますが、相ごとに使用される子音は決まっていますし、通常生活の中で話す分にはあまり気にしなくても良いので、造語の時にちらっと見る程度の認識で大丈夫だと思われます。

名詞化

形容詞の名詞化は概念(~なこと)・物体(~なもの)・程度(~さ)の3つの変化形があり、起動・動的・完了のそれぞれで違う語尾を語幹に接続します。以下、変化表です。

起動 動的 完了
概念 -ívj -údj -ég
物体 -énj -ámj -ólj
程度 -ívöm -ávöm -úvöm

例)sus- 「休ませる」の語幹

起動 動的 完了
概念 sussívj sussúdj susség
物体 sussénj sussámj sussólj
程度 sussívöm sussávöm sussúvöm

形容詞の名詞形はそのまま「~なこと」「~なもの」のように翻訳されることもありますが、そこから派生的に固有の意味を持つ単語もあります。

例)mavég 改善点(原義:機能しないこと)
  jonólj 塔、高層ビル(原義:背の高いもの)
  diffámj ガラス(原義:透明なもの)

エスルーデャ語を意味する eslúdja も形容詞の名詞形から作られており、名詞なのに属格形の形になっている理由としては、本来、arom eslúdja「エスルーデャの言語」と表記されるものが arom「言語」が省略されてしまい、属格形だけで残ったからです。

発音の注意

・名詞化で現れたアクセント付きの母音は例外的に長音で発音されます。

jonólj 塔、高層ビル [joˈnoːlɨ]

・程度を表している「vöm」の「ö」は欠落し、[vm] という発音になる。

sahávöm 速度 [saˈχaːvm]

形態素化

形容詞は単語が造語されるために形態素になることがあります。この変化も相によって形が違うのですが、規則的に考えることができ、このように変化します。

起動... -é susfé-
動的... -ó susnó-
完了... -á sustá-

この形態素はよく「vissá(~を~にする)」とともに用いられます。

例)
susfa「眠い」 + vissá → susfévissá 眠らす
nesta「赤い」 + vissá → nestávissá 赤くする

これにてエスルーデャ語の形容詞の解説を終わります。ありがとうございました。

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