皆さんこんばんは。
Tont Mei tan Felvez'aniの時間がやって参りました。
著者のFijus'です。
こちらは私が創作している言語・フェルヴェザニ語の文法事項などを解説する不定期連載記事となります。
連載名はフェルヴェザニ語で「フェルヴェザニ語と眠ろう」という意味です。「トント メイ タン フェルヴェザニ」と読んでください。
ぜひおやすみ前の静かな時間にでもお楽しみください。
こんばんわ。
フィユスでございますわ。
今回の内容は前回お伝えした通りの「ima節」と、ついでに分詞についてです。
これからいろいろと文法事項が出てくる可能性もありますが、ひとまずは今回を連載の最終回とします。
最後までよろしくお願いします。
ima節
フェルヴェザニ語におけるima節とは、imaから始まる節のことで、文と文を合成して詳しい表現をするために使います。
使い方は大きく分けて2つあります。
- 目的語として文を用いる
- 文を文で装飾する
フェルヴェザニ語の表現をより豊かにするには両方の用法が必須です。
1. 目的語として文を用いる
目的語を表す助詞"cu"、"ne"、"ada"のあとにimaから始まる節を置くことで、目的語として文を挿入することができます。
ima節とima節でない「主節」で、主語や時制、目的語などが同じである場合、ima節中のそれを省略するのが慣例です。
例1
Miz a ky ne ○○. 私は○○が好きだ。
Xaf a ky ne zavain. 私はリンゴを食べる。
⇒Miz a ky ne ima xaf ne zavain.
私はリンゴを食べるのが好きだ。
※主語が同じであるため、ima節中の"a ky"が省略されています。
例2
Zi myfo a ky ne ○○. 私は○○を見た。
Wint minosid tox loa ne wenh'odo. 彼は本を読んでいる。
⇒Zi myfo a ky ne ima wint minosid tox loa ne wenh'odo.
私は彼が本を読んでいるのを見た。
※「彼が本を読んでいる」という、当時では現在進行形の状況を見たことになるので、ima節中の時制はwintを用います。
2. 文を文で装飾する
この用法は英語における関係詞の文に似ています。
2つの文をimaを使って合成することで、imaの直前の語や文を装飾できます。
例3
Ja bo la tena cu wenh'odo. これは本です。
Miz a ky ne la wenh'odo. 私はこの本が好きです。
⇒Ja bo la tena cu wenh'odo ima miz a ky. これは私の好きな本です。
2文目の目的語節"ne la wenh'odo"が、1文目の目的語が同じく"wenh'odo"なので省略されています。
ima節中でも、動詞の格変化は省略できないので注意しましょう。
例4
Zi minosid tox loa ne wenh'odo. 彼は本を読みました。
Zi x'emaid tox loa ne wenh'odo. 彼は本を買いました。
⇒Zi minosid tox loa ne wenh'odo ima x'emaid. 彼は彼が買った本を読みました。
時制、主語、目的語がすべて同じなのでima節の中身が動詞1語になってしまいました。
上記の2つの用例の両方に共通することですが、ima節がどこで終わるかを示す必要は基本的にはありません。
しかし、誤解を防ぐなどの理由で明確に示したい場合は、mafを置くことで、imaからmafまでがima節であることを示すことができます。
Zi minosid tox loa ne wenh'odo ima x'emaid maf n'ake tolvin. 彼は彼が買った本を昨日読みました(買ったのが昨日とは言ってない)。
Zi minosid tox loa ne wenh'odo ima x'emaid n'ake tolvin maf. 彼は彼が昨日買った本を読みました(読んだのが昨日とは言ってない)。
動詞には、ima節がないと使えないものやima節を使うことで意味が変わるものがあります。
「ima節を伴う」「ima節を伴うと~」と辞書に書かれている動詞を使う場合は、"(動詞)(助詞)(主語) ima ~"というように、主語の直後にimaを置きます。
Hiwa a ky ima minos fy san ne la wenh'odo. 私はあなたにこの本を読んでほしい。
(純粋に主語をima節で装飾したい場合もあるとは思いますが、それを明確に分ける表現や文法はありません。文脈で判断しましょう。)
以下はima節が必要、あるいはima節によって意味が変わる動詞の一例です。
hiwa:~してほしい
qaiva:~させる
zinda:~しようとする
visin:~し始める
varas'i:~し終わる
slaqan:~と言われている
toxof:~と考えられる
さて、今回のメインディッシュが終わったところで、おまけ的に「分詞」についての話をしたいと思います。
ここでいう分詞とは、動詞の形を変化させて形容詞的に用いることができるようにしたものをいうことにします。
能動分詞 「~している」
動詞の原格の前にfax-をつけることで表します。
s、xから始まる動詞の場合は、音便化によって最初の子音を消してfax-をつけることで表します。
Myfo a ky ada faxibiha nemis. 遊んでいる子供たちを眺める。
受動分詞 「~された」
動詞の原格の前にpeta-をつけることで表します。
母音から始まる動詞の場合はpet-をつけます。
Zi pogzaf a ky ada petajafidi wenh'odo. 積まれた本を片付けた。
さて、ここまで分詞の説明を見て、かしこい方であれば、「これってima節使っても表現できるんじゃね?」と思うことでしょう。そうです。できます。
分詞か、ima節かは、正直好みの問題です。そういう意味で、今回の記事にima節と同時に載せました。
Myfo a ky ada nemis ima sibihalif. 遊んでいる子供たちを眺める。
Zi pogzaf a ky ada wenh'odo ima jafidilet. 積まれた本を片付けた。
ついでに、分詞とも違いますが、動名詞「~すること」を紹介します。これはmigdalをサボってよりも優先してZpDICでいろいろ例文などを作っていた時に増えた文法です。
とはいっても、分詞と同様に動詞の原格の前にga-を付けるだけです。動名詞を動詞ととらえてさらっと文を続けることもできます(改定)。もちろんこの表現もima節で代用できますね。
Miz a ky ne gamei. 私は眠ることが好きです。
Miz a ky ne gaminos ne wenh'odo. 私は本を読むことが好きです。
お疲れ様でした。今回で、フェルヴェザニ語の表現を加速させるima節という最重要級文法を解説できました。
他にも、例文作成中などに様々な細かい文法は現れていますが、それはまたどこかでまとめてみたいと思います。それまではお手数ですが、例文や訳を見て推測していただければと。
実際、例の特級呪物が翻訳された事例から、今回のima節についてもなんとなくこういう文法であると推測できた人がいるのではないでしょうか?
前述の通り、以上で Tont Mei tan Felvez'ani の連載は一旦終了となります。長い間お疲れ様でした。
これからは適当に翻訳や何やらの記事を出しつつ、ZpDICの整備に努めます。ぜひそちらもよろしくお願いします。
それでは、本当にありがとうございました!
MYTALVIA!!!!
Fijus' Qaz'ofywei Invarom
24-05-06改定済み
Top comments (2)
Tont Mei tan Felvez'ani、完結おめでとうございます!お疲れ様です!
最初は軽く読んでたつもりが、気づいたら特級呪物を翻訳するような人間になっちゃってました。なんとも不思議なことです。
応援本当にありがとうございました。
特急呪物の件に関しては、その節は大変お世話になりました。もはやはくメなさんはフェルヴェザニ語の第二人者と言えるほど当言語に詳しくなられたということでしょう。
これからもぐだぐだといろいろやっていくのでよろしくお願いします。
H'ank luten a ky ne san, fe Hakumena!
nevo temol suma lavo, Hakumena!