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無生物音源語(仮):音楽的性質から導かれる言語的特徴とそれを補完する文化的背景の設定

こんにちは、かんたんたんたんです。前回は無生物音源語のコンセプトをまとめたので、今回はその具体的な言語の性質を詰めていきたいと思います。

使用する音域

これはおそらく一般的な人工言語制作における「音韻の設定」に当たるのだろうか。
楽器によって音域は様々であり、例えばピアノのように88鍵(2A〜c5)のものもあればソプラノリコーダーのようにC4から2オクターブ程度しか出ないものもある。ちなみにふぇるとちゃんの元となった鉄琴のおもちゃはソから2オクターブ上のファまでで、しかも半音階はない(UTAU音源になったことで半音階も出せるようになったが)。
さらに周波数が2n倍の音は同じ階名で呼ばれるため、あまり音域が広いと区別が難しくなる。そこで、無生物音源における単語の和音構成音の音域はド〜シの12音(7音+半音5音)の1オクターブ未満に収めることにした。

語彙数

12音の組み合わせで単語を作るとなると、その数は限られてくる。半音でぶつからない(きれいな)和音の数はそれぞれ
2和音: 55
3和音: 175
4和音: 330
5和音: 562

となり、これでようやく合計1000を超える程度だ。ひとつの和音にあまりにもたくさん音が含まれていると聞き取りづらくなるので、最大でも6和音までになるだろう。よって、無生物音源語は語彙数の少ない言語を目指すべきだということがわかった。

語順と言語の分類

音楽において和音進行は重要な要素である。緊張と緩和を繰り返しながら聴く人の感情を動かすため、無生物音源語においても単語(和音)の推移に「美しさ」を感じられるようにしたい。そのため語順は自由とする。
前述の語彙数の少なさも考慮し、無生物音源語は膠着語として制作するのがふさわしいと考えられる。
ソナタ形式などクラシック音楽ではまず主題を提示し展開していく流れがあるため、文の主題となる和音を文頭にもってきても良いかもしれない。無生物音源語は日本語に近い言語になりそうだ。

文化的チューニング

ソプラノリコーダーで「ソ」の音が鳴る運指でアルトリコーダーを吹くと「ド」の音が出るように、主音の「ド」は楽器ごとに実音が異なる(移調楽器)。無生物音源語では対話の際にチューニングをすることで主音を決定し、このチューニングを会話開始の挨拶とする。
音楽におけるチューニングは通常A(ラ)のロングトーンで行うが、無生物音源語の挨拶では話がある方が会話可能な音域を提示(下からグリッサンド)し、相手はその中から主音を選んでロングトーンからのチューニングを行う(スピーチやモノローグは自分の主音をロングトーンで示す)。

文字と移動ド表記

和音を表記するのに最もポピュラーで便利なものは五線譜なので、無生物音源語においても文字として五線譜を採用する。1オクターブ未満の音域を表記するため、第一間(五線でできる4つの隙間のうち一番下)を主音の「ド」とし、音部記号を書くとすれば第五線にハ音記号の中心が通るものとする。文字としての音符はまだきちんと決めていないが、おそらく4分音符で各単語を表記することになるだろう。
今後は単語の構成音等を表記する際、ドレミ表記では階名と音名の区別が困難になるため、英語の移動ド表記を使用することにする。

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