はじめに
簡潔に趣旨をまとめると、
「『いせにほ』みたいな『高水準な人工言語を使った作品群』をジャンル化したいよね!」
ということを書きたい記事です。
目次
1.「異世界」と「言語」
2.「人工言語ファンタジー(仮)」をジャンル化したい
3. 今後のことを少し
1.「異世界」と「言語」
ラノベのジャンルに、「異世界ファンタジー」というのがありますよね。
主人公が転生したり、転移したりして、異世界で生活する人気のジャンルです。
しかしこのジャンル、長らく一つの大きな問題を抱えていました--「言語」の設定です。
星の数ほどある異世界小説の中で、この点に触れない作品は多くありますし、また魔法などの設定でこの問題を解消する場合もあります。
が、ここに集まっておられる面々は、(異世界ファンタジーを嗜んだ経験があれば、)少なからずここに拭いきれない違和感を抱いたことがあるのではないでしょうか。
一方、少数派ではありますが、100年ほど前からこの問題に立ち向かってきた作家というのも存在します。
今回とりあげるのは、トールキンさん、Fafs F. Sashimi さん、スライムさん (さん)、ベルティアさんの四名です。
トールキン
言わずと知れた、人工言語界の巨匠であり、言語学者であり、小説家。
「人口言語」というワードを知っていなくとも、「指輪物語」の名を聞いたことあるという人は多いようです。
指輪物語、私もいつか読破してみたい。
Fafs F. Sashimi
読み方は、「サシミ」ではなく「ザシミ」。
言わずと知れた、人工言語界隈の巨匠であり、リパライン語の作者であり、小説家。
著作「異世界語入門 〜転生したけど日本語が通じなかった〜」にてリパライン語を用いた異世界ファンタジーの物語を描いています。
公開した当時は、人工言語界隈内外に大きな衝撃を走らせたようです (私が人工言語に入門する前の出来事です)。
Wikipedia - 異世界語入門 〜転生したけど日本語が通じなかった〜
スライムさん
「さん」は名前に含まれます。「スライムさん」でひとつの名前です。
著作「言語ヲタと異世界言語ヲタ」は、金田一メソッドから始まる二人の少女の物語。
思いつきの小説をTwitter に投稿し、のちにカクヨムにまとめたものです (私が人工言語に入門する前の出来事です)。
ベルティア
バーチャル言語の悪魔、ベルティア・アルバリグミロク(Bertia Arbarigmirok)。
著作「こんらんぐ! ~人工言語同好会へようこそ!~」は、人工言語の部活動を中心とした高校青春物語。カクヨムにて公開 (私が人工言語に入門する前の出来事です)。
小説ですが、京アニ感があります。
2.「人工言語ファンタジー(仮)」をジャンル化したい
主題に帰りますが、私はこのような作品を一つのジャンルとして扱いたいのです。
「人工言語ファンタジー(仮)小説」は上に挙げたもので全てではないですし、映画作品などを含めればそこそこの作品数はあります。
が、それでも少ない……!
もっとこういう作品が読みたい……!では、どうするか。
そうだ、ジャンル化しよう。
というわけです。
やはり没入感がちがうのです。転生モノや転移モノにおいては尚更です。
まあ、たしかにWeb小説などを読む方の大部分は「ストーリー」を読みたいのであって「異世界の言語」を読みたいというわけではないでしょうから、このジャンルが世間一般に広く浸透する見込みは正直ありませんし、また私もそこまでたいそうなことをしたいとも思いません。
ですが、(ほとんど個人用目的で) こういうジャンルがほしいんだよなぁ……とやんわり考えていたことを綴ってみました。
3. 今後のことを少し
小説、そろそろ挑戦してみるかなぁ〜笑
願っているだけでは何も起こらないので。
やるかもしれないし、やらないかもですが。
では、今回はこのへんで。
Latest comments (3)
紹介してくれてありがとうございます!
しかし、巨匠って言われるとむず痒いですね……()
いせにほだけではなく、『アレン・ヴィライヤの言語調査録――“先生”は荒事に好まれている』(原語版未完)や『ボクたちの言葉が忘れられるこの世界は間違っている』、『スキュリオーティエ叙事詩』(未完)、『ヴァルガンテとシリス』(未完)などもあるので参考までに……
個人的には、なろう原作で角川スニーカー文庫より出版された『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』がアニメ化するなど、『ことのはアムリラート』やいせにほ以降の作品で「ことば」に少しだけ焦点が当てられた作品により注目が集まっているようにも感じます。
人工言語ファンタジー(or人工言語SF)、流行ったら面白いだろうなあ……(難しいかもしれないけど……)
わわわ、いろいろ紹介してくださってありがとうございます、、!
芸術体系のヴァリエーションを見ると、「人工言語ファンタジー」というより、「人工言語文学」と呼んだほうがいいかもしれませんね。
ろしでれは初めて知りました。今年の7月が楽しみです…!
わ、紹介されている