名詞の格変化に引き続き、今度は形容詞の格変化です。
形容詞の格変化
前回は名詞が格に応じて変化することを学びましたが、形容詞も同じように格に応じて変化します。
形容詞の格変化は名詞と全く同じで、格に応じて適切な接尾辞が付けられます。格を表す接尾辞は以下のような感じでしたね。
赤性 | 青性 | |
---|---|---|
主格 | なし | -о |
対格 | -а | -а |
与格 | -ес | -ос |
奪格 | -о̄м, -aм | -ӯм, -aм |
具格 | -езат, -зат | -озат, -зат |
処格 | -ӣ | -е̄ |
奪格と具格を表す接尾辞の使い分けも名詞の場合と同じで、語幹が〈重子音 + а + 単子音〉で終わっていれば -aм/-зат になり、それ以外なら -о̄м/-езат や -ӯм/-озат になります。
唯一違う点は、性の扱いです。第 3 回でも触れましたが、名詞の性はその名詞ごとに 1 つ定まっている一方で、形容詞はそれが係る名詞に応じてどちらの性にもなります。赤性名詞に係る形容詞は赤性の形になり、青性名詞に係る形容詞は青性の形になります。
実際の格変化
具体的な変化を見てみましょう。と言っても、名詞の場合と全く同じです。
赤性 | 青性 | |
---|---|---|
主格 | ӈе̄ттаб | ӈе̄ттабо |
対格 | ӈе̄ттаба | ӈе̄ттаба |
与格 | ӈе̄ттабес | ӈе̄ттабос |
奪格 | ӈе̄ттабaм | ӈе̄ттабaм |
具格 | ӈе̄ттабзат | ӈе̄ттабзат |
処格 | ӈе̄ттабӣ | ӈе̄ттабе̄ |
規則から少し外れるパターンも、名詞と全く同じです。
まず、基本形が〈単子音 + а + 単子音〉で終わる場合、接尾辞を付けるときに а が脱落します。
赤性 | 青性 | |
---|---|---|
主格 | се̄хан | се̄хно |
対格 | се̄хна | се̄хна |
与格 | се̄хнес | се̄хнос |
奪格 | се̄хно̄м | се̄хнӯм |
具格 | се̄хнезат | се̄хнозат |
処格 | се̄хнӣ | се̄хне̄ |
語幹が重子音や長母音で終わる場合は、語末に е が付いた形が基本形になっていますが、接尾辞を付けるとこの е が消えます。
赤性 | 青性 | |
---|---|---|
主格 | хе̄лаффе | хе̄лаффо |
対格 | хе̄лаффа | хе̄лаффа |
与格 | хе̄лаффес | хе̄лаффос |
奪格 | хе̄лаффо̄м | хе̄лаффӯм |
具格 | хе̄лаффезат | хе̄лаффозат |
処格 | хе̄лаффӣ | хе̄лаффе̄ |
形容詞の用法
第 3 回で学んだ内容を思い出しましょう。形容詞は、それが修飾する名詞の後に置かれて、その名詞と同じ性と定性をとるのでした。このとき、性と定性だけでなく、格も一致させます。つまり例えば、対格の名詞を修飾する形容詞は対格の形になります。
Бамозе̄хо зозе̄баццос фе̄лнос леӈе̄чо̄ӣ ленӣчӣ.
بمزيخ ززيبڅّس فيلنس لڠيچويي لنيچي.
🞂 私たちは新しい動物園に来週行く。
зозе̄баццо「動物園」 · фе̄лан「新しい」 · ӈе̄чо̄е [定: леӈе̄чо̄е]「週」 · нӣч [定: ленӣч] 「次の」Ҕадо̄л леҕзе̄дле̄ лесе̄мре̄ де̄ска се̄хна.
غدول لغزيدلي لسيمري ديسک سيخن.
🞂 彼女は近くの店でおもしろそうな本を買っている。
ҕадо̄л「買う」 · ҕозе̄дал「店」 · се̄мар「近い」
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