<-語（s語）【第9回人工言語コンペ】

お題

一般に言語には「上下」「東西南北」といった方向を表す語彙があります。このような概念は、重力と地軸が存在する地球上での生活に特有のものと考えられます。

では、もし「地球外の無重力空間で生活する人々」が存在するとしたら、どのように方向を表すでしょうか？　彼らの話す言語を作り、方向を表す語彙を使って道案内する文章を作ってください。

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目次

←語の概要
文字と方向記号、表現方法
文法事項
1.文の構造
2.方向を表す表現
道案内の文　平面の場合
道案内の文　立体の場合
辞書

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←語の概要

この言語が使用されているのは、主に音媒質のない無重力空間です。
母音を左手、子音を右手で表現して意思疎通を行ないます。

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文字と方向記号、表現方法

←語では、上記文字を使用します。また、母音と子音はセットで用いられ、どちらか一つだけを用いるということはありません。
母音を左手、子音を右手で表現して意思疎通を行ないます。
母音を表現する手は二本を、子音を表現する手は一本の指用い、刺す方向はそれぞれの文字の矢印の方向です。
例として、以下の手振りは「ka(↑⇑)」を表す。

https://www.posemaniacs.com/tools/viewer/hand

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文法事項

1.文の構造

←語の語順は英語と同じSVOである。その他、基本的なものは英語と近しいものがある。
←語で文を表記する場合、文の下に線を引く。

ex) 吾輩は猫である。
Tasika zu safaziza.
（↗⇑←⇐↑⇑ →⇒ ←⇑↖⇑→⇐→⇑）
私：tasika　存在動詞：zu　猫：safaziza

これは、矢印表記の←語の文を誤読しない為である。

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2.方向を表す表現

←語では、方向を表すために自分自身（話者）を原点とした座標空間で表す。それぞれの軸は、

• 自身の胸部と垂直な軸（正面軸）
• 自身の脇腹と垂直な軸（側面軸）
• 自身の頭頂部と垂直な軸（高度軸）

というもの。また、

• 正面軸の前方向は「▲(ka)」、後方向は「▼(ge)」
• 側面軸の左方向は「◄(si)」、右方向は「►(zu)」
• 高度軸の上方向は「▲(ka)」、下方向は「▼(ge)」
• 方向が定まらない場合は「■(no)」

という文字列で表される。

表記の具体例を挙げるために、サングラスをかけた人と赤い箱がある状況を考える。（下図）

この状況を←語で表現すると

ex) 赤い箱は私の斜め右前にある。
kafi zevasa zu kazuge.
（↑⇑↖⇐ →⇓↘⇑←⇑ →⇒ ▲►▼）
赤い：kafi　箱：zevasa　存在動詞：zu　▲►▼（箱の位置）：kazuge

と表現できる。
詳しい仕組みを説明する。上図の状況を考え、サングラスをかけた人が赤い箱の位置を表現する際、正面軸を緑色、側面軸をピンク色、高度軸を黄色だとすると、

このようになり、赤い箱は正面軸の前方向、側面軸の右方向、高度軸の下方向にあるといえる。そのため、これを←語で表現すると「▲►▼(kazuge)」になる。

応用として、複数の人物と物体が存在する状況を考える。（下図）

白の人が、青い人の前にある赤い箱の位置を表したいとき、このような文となる。

ex) 赤い箱は私の斜め左前下にいる人の前にある。
kafi zevase zu geka:kasige kanoge.
（↑⇑↖⇐ →⇓↘⇑←⇓ →⇒ ↓⇓↑⇑:▲◄▼ ▲■▼）
赤い：kafi　箱：zevasa　存在動詞：zu　人：geka　▲◄▼（人の位置）：kasige　▲■▼（箱の位置）：kanoge

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道案内の文　平面の場合

サングラスをかけた人が星印の場所まで行く経路を案内する場合、このように表記される。

ex) 左、前、右、前、左の経路で行ってください。
zutu nosino, kanono, nozuno, kanono, nosino.
（→⇒↗⇒ ■◄■, ▲■■, ■►■, ▲■■, ■◄■）
行く：zutu

道案内の文　立体の場合

サングラスをかけた人が星印の場所まで行く経路を案内する場合、このように表記される。ただし、サングラスをかけた人はハシゴを使ってでしか高さを変える移動ができない。

ex) 左、前、右、前、左、上昇、後ろ、上昇、左、前の経路で行ってください。
zutu nosino, kanono, nozuno, kanono, nosika, genoka, nosino, kanono.
（→⇒↗⇒ ■◄■, ▲■■, ■►■, ▲■■, ■◄▲, ▼■▲, ■◄■, ▲■■）
行く：zutu

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辞書