こんにちは。コキあです。
ラテン文字転写のローマ字と違う部分 その4
・「ャ」「ュ」「ョ」は直前の母音に「~」をつける。
(例)「ヒョウネ」→「hõwune」
「エンシャヂ」→「wenxsãdi」
ラテン文字の上につける「~」ってなんて言うの?
さて、この節では代名詞について解説していきます。
今回の記事の後半で説明されている文法は、キャア語の文法の中でも一二を争うほど気持ち悪い文法となっています。注意してください。
代名詞は、簡単に言えば他の名詞を代用することができる名詞のことです。
例えば、「ニャ」は代名詞です。これは、自分の名前などを代用しています。
代名詞にはいくつか種類があります。
- 人称代名詞
- 指示代名詞
- 疑問詞
- 無名詞
- 反復詞
これ以外にも分類することが難しい代名詞があるのですが、その話は一旦おいておきます。
まずは人称代名詞と指示代名詞について解説します。
人称代名詞は人を指す代名詞のことです。「ニャ」などがそれにあたります。
指示代名詞は主にものを指す代名詞のことです。「シット」などがそれにあたります。
これらは普通名詞として使うのですが、名詞の直前にある場合に形容詞として使われるものがあります。
形容詞として扱われるものは、今のところ「ニャ」「キャ」「シット」「サット」「セット」の5つのみです。今後増える可能性は大いにあります。
サット ダンク キャ ホローフ/
→それはあなたの朝食です。ニャ ダンク ヘーヘノ セット タイメ/
→私はあのカバンが欲しいです
ニャ | キャ | シット | サット | セット |
---|---|---|---|---|
私 | あなた | これ | それ | あれ |
私の | あなたの | この | その | あの |
上の表はそれぞれの代名詞の意味を表しています。2段目が名詞としての意味、3段目が形容詞としての意味です。
これらの代名詞が形容詞として使われるときは名詞の直前に置かれたときのみです。そのため、当たり前ですが、これらの代名詞が形容詞として扱われるとき、動詞群を修飾したり付動詞のない動詞群が使われた分の目的語になることはありません。
ここまでは前置きのようなものです。(大事な文法ではあるのですが。)
ここからは、冒頭で気持ち悪いと評した文法の解説となります。
今までの文法解説を真面目に見ていてくれた人なら気づいているかもしれませんが、今までのキャア語の例文では、主語が全て代名詞でした。
実は、キャア語では主語には代名詞のみしか置けないのです。
そのため、「リンゴ」や「犬」や「キャア語」のような一般名詞や固有名詞は主語にすることができません。
しかし、これではあまりにも不便です。そのため、代名詞以外を主語にする場合は特殊な代名詞「ラキャ」を使います。
ラキャ ヂソーノ イール ウニーニシュ/
→犬が鳴きます。
「ヂソーノ」は「犬」という意味の一般名詞です。一般名詞は普通主語の位置には置けないのですが「犬が鳴きます」という文章を作りたいときには主語に一般名詞を置きたいです。
そこで使うのが「ラキャ」です。これは、代名詞以外が主語になるときに、そのまま主語になる語の前に置きます。
「ラキャ」に意味などありません。そのため、訳すときは無視してください。
ラキャ パレン ナーパル イール ヂリーリシュ/
→白い雪が降ります。
「パレン」は「ナーパル」を修飾する形容詞です。修飾された名詞を主語にするときも「ラキャ」を置きます。
ここまでの話でこう思った人もいるでしょう。
「「ラキャ」いらなくね?」
その通りです。
代名詞しか主語に置けないという文法は、意味もなく続いている伝統のようなものです。
ヂソーノ イール ウニーニシュ/
→犬が鳴きます。
この文章も間違っていません。
「ラキャ」を省略する場合の文法について、詳しくは第8章で解説する予定です。
そのときまでは正しい文法に従って「ラキャ」を置くようにしましょう、と言いたいところなのですが、正直置かなくていいです。置く意味が全くありません。
一部の人はこのような疑問を抱いたと思います。
「人称代名詞に「彼」とか「彼女」みたいな意味のやつがなくね?」
確かに人称代名詞にそのような意味のものはありません。ですが、次のように表現することができます。
ラキャ ホーモ ダンク ミトートノ チヌキュ/
→彼(彼女)は魚が好きです。
「ホーモ」は「人」という意味の名詞です。
「ラキャ ホーモ」は「彼」や「彼女」という意味の名詞だと思ってください。
同じように、次のように表現することができます。
ラキャ ホーモーピ ダンク ミトートノ ルピル/
→彼は果物が好きです。ラキャ ホーモーゼ ダンク ミトートノ ベレヂネ/
→彼女は野菜が好きです。
「ホーモーピ」は男性、「ホーモーゼ」は女性という意味の名詞です。それぞれ「ラキャ」をつけると「彼」、「彼女」という意味になります。
これで第3章の第3節は終了です。次回は重ねがけや否定表現について解説するする予定です。
ここまで見て下さり、本当にありがとうございます。
新出単語
形・名/サット/それ,その
名/ホローフ/朝食
付/ヘーヘノ/欲しい
形・名/セット/あれ,あの
名/タイメ/カバン
名/ラキャ/何らかのもの
名/ヂソーノ/犬
付/ウニーニシュ/鳴く
形/パレン/白い
名/ナーパル/雪
付/ヂリーリシュ
/落ちる,降る
名/ホーモ/人
名/チヌキュ/魚
名/ホーモーピ/男性
名/ルピル/果物
名/ホーモーゼ/女性
名/ベレヂネ/野菜
新出じゃない単語
動/ダンク/…である
形・名/キャ
/あなた,あなたの
形・名/ニャ/私,私の
動/イール/…になる
付/ミトートノ
/好きである
新しい順のコメント(2)
「~」←これ、普通にチルダと言います。言語の書記法では多くの場合(有声)硬口蓋鼻音(/ɲ/, にゃ行の音)、鼻母音、鼻音化音を表すのに使われます。
普通にチルダでいいんですね。
チルダがどのように使われるかは知りませんでした。キャア語では意図的にそのような音を使う機会はあまりありませんし、(「ニャ」という単語があるからそれなどで使うのかな?)一般的な使い方とずれてしまいました。(なぜこれを採用したかというと、キャア語のオリジナル文字に少し似ているからです。)
音声とかについてしっかり学んでみようと思います。