自分用メモです。もうこの言語は開発しないと思いますが、もし再開発するとしたら、これを推敲して、かっこいい文法書にします。とりあえず雑に勢いでザザーッと書きました。
アカキリパ(aka kiripa)は、わたくしンソピハがこないだ作った人工言語です。文法と語彙は一通りできていますが、今は別の言語作りたいなーってなってます。
ミニマル系人工言語で、語根になる形態素はたしか50個です。(数え間違えあったらごめんなさい。)あとたしか、接辞が20個くらいあって、それをくっつけます。接辞の多くは格っぽいのを表すやつで、複合語はありません。
膠着語膠着語してるので、分類的には少数総合的言語になると思います。でも、複合語が作れないから、トキポナみたく少数孤立的言語の気持ちで運用することになります。
表現力は壊滅的です。例えば、ジェスチャーを使わないと上下前後左右を表現できません。
でも、言語の運用を続けていれば、そのうち表現力が上がってくるかもしれません。例えば、もともと冗談言語扱いだったトキポナも、今では国際補助語チックに使われています。
たぶん私がこの言語をさらに開発することはないと思うので、もし使いたかったら勝手に改造しちゃっていただいて大丈夫です。(そういうのは「方言」って扱いにします。)
音韻体系は、ぶっちゃけトゥキティキっていう人工言語と同じです。
子音音素は/p, t, k, m, n/、母音音素は/a, i, u/だけです。アクセントは語頭に固定。自由異音多め。
/p/は、唇を使った阻害音だったらなんでもいいです。
/t/は、舌の先のほうを使った阻害音だったらなんでもいいです。
/k/は、舌の奥のほうを使った阻害音だったらなんでもいいです。
/m/は、唇を使った共鳴音だったらなんでもいいです。
/n/は、舌の先のほうを使った共鳴音だったらなんでもいいです。
/a/は、口とりあえず大きめに広げていただければ大丈夫です。
/i/は、口を狭めにしてもろて([e]くらいでもおけ)、舌を前のほうに盛り上げてもらえれば大丈夫です。
/u/は、口を狭めにしてもろて([o]くらいでもおけ)、舌を後ろのほうに盛り上げてもらえれば大丈夫です。
表記はテキトーにやっちゃってください。たとえばこの文書でもrを使ったりしてますが、これは/n/を表します。このあたりは私の美的センスに基づいて勝手にやってます。自分の好きな表記を使っちゃいましょう。
文法については、以前PDF形式で公開した名無し自作言語からほとんどそのまま流用しています。その言語は、同格以外の構文がないのが特徴です。そこから流用しているので、アカキリパも同格言語として分析できます。でも、なんかめんどいので、普通に雑に説明します。
能格言語です。(本当は同格言語なので能格もへったくれもないんですが、まあそういうことにしといてください。)他動詞主語だけ特別扱いで、自動詞主語と目的語は同じ扱いです。他動詞主語のあとにはuを置きます。自動詞主語と目的語は無標です。
Upu u ara mumututa.
私 それで あなた すごく眠った。
私はあなたを殺した。
修飾語順は決まっていません。自動詞主語or目的語と動詞との順番も自由に入れ換え可能です。これらについては、優勢な語順がありません。例えば下の文は、「Mutu mika narami.」でも良いですし、「Mika mutu narami.」でも良いです。
Narami mika mutu.
すごく面積取ってる 動くやつ 眠ってる
大きな牛が眠ってる。
なお、mikaは意味の広い語で、人を含む動物はもちろん、例えば車とかも含まれます。上記例文の和訳ではテキトーに「牛」としましたが、「人」「魚」「虫」など様々な訳が考えられます。
さて、アカキリパにはいろんな接辞があるんですが、「程度を表すやつ」「位置とか状態変化を表すやつ」「その他」に分けられます。
「程度を表すやつ」は、語基の程度を表します。以下では、kita(重みがある)を例に説明しますね:
-puは「ゼロ」という意味です。kitapuは「重みがない」って意味になります。kita以外の例になっちゃいますが、否定を表す語として使うこともできます。「甘くない」はmima(甘い)に-puを付けてmimapuと言います。
-mariは「レベル1」という意味です。kitamariは「重さレベル1」って意味になります。重さレベル1が1グラムを指すのか、1キロを指すのかは、文脈によります。
-rariは「レベル2」という意味です。これも具体的な意味は文脈によります。
-ritaは「レベル3」という意味です。具体的な意味は文脈によります。
-takaは「レベル4」という意味です。具体的な意味は文脈によります。
-puriは「レベル5」という意味です。具体的な意味は文脈によります。
6以上の数字は、6進法に基づいて表現します。例えば-mari(レベル1)と-pu(ゼロ)を組み合わせて-maripuと言うと「レベル10」になります。6進法のレベル10は10進法の6にあたります。
-siは「少なめ」という意味です。kitasi(重み少なめ)は要するに「軽い」って意味になります。
語頭の音節を重複させると「多め」という意味になります。kikita(重み多め)は「重い」です。
じゃ、次は位置とか状態変化を表すやつを列挙します。今回はkuka(水)を例にします:
-taは「~の状態に(なる)」という意味です。kukataは「水になる」です。
-tuは「~の状態から(別のものになる)」という意味です。例えば、さっきの-taと合わせて例文を作ってみましょう:
Muratu kukata u kukatu pamata.
固体から 水に それで 水から 気体に。
氷から水になって、水から水蒸気になる。
(この、他動詞主語以外のuの用法については後述します。)
-miは「~の中で」という意味です。kukamiで「水中で」です。経験者を表すのにも使います。
Arami putu.
彼女の中に 安らぎ
(彼女は安らいでいる。)
-maは「~の中に向かって」という意味です。kukamaで「水中に向かって」です。
-muは「~の中から」という意味です。kukamuで「水中から」です。
-riは「~に接して」という意味です。kukariで「水面で」です。また、-riは精神的なつながりを指すこともあります。例えばupuri puputu(私に接する、とても安らぐもの)は「私の愛する人」という意味になりえます。……そんなロマンチックな例えでなくても良かったですね。他の例だと、例えばupuri mura(私に接する、硬いもの)は「私の(持つ)石」という意味になります。実際にあなたがその石に触れている必要はありません。日本語でも、「私たくさんお金持ってるよ」というときに、実際に札束を手に持っている必要はないですよね?
-raは「~の表面に向かって」という意味です。kukaraで「水面に向かって」です。
-ruは「~の表面から」という意味です。kukaruで「水面から」です。ちなみに、-raと-ruを使って、授受表現をすることができます。例えばこんな感じ:
Upuru arara kuka.
私から あなたに 水
私があなたに水を渡す。
-kiは「~のそばで」という意味です。kukakiで「水辺で」です。
-kaは「~のそばに向かって」という意味です。kukakaで「水辺に向かって」です。
-kuは「~のそばから」という意味です。kukakuで「水辺から」です。
最後に、程度を表すわけでも、位置・状態変化を表すわけでもない接辞を紹介します。
-paは「~の集合体」という意味です。例えばmikiは「粒」という意味ですが、mikipaは「粒の集合体」で「砂」などを表します。
-piは「~の一部」という意味です。例えばupupi mura(私の一部、硬いもの)は「私の骨」という意味になります。
他に、接続詞u, pupuがあります。
uは、他動詞主語や条件節の直後に置きます。
Ara nami u upumi putu.
彼 存在 それで 私の中に 安らぎ。
(「彼という存在が私を安らがせる」もしくは「彼がいるから私は安らいでいる」)
日本語の「~ら」みたいに、単純な時間経過を表すこともあります。
Upuma ata u mutu.
私の中に向かって 何か それで 寝ている。
(なんか食べたら寝る。)
文頭に用いることもできます。
U upuru kiri a!
それで 私から 音 感嘆詞!
(だから私は言ったんだ!)
pupuは逆に「~関係なく」という意味です。
Ara nami pupu upumi putu.
彼 存在 関係なく 私の中に 安らぎ。
(彼関係なく私は安らいでいる。)
Pupu upuru kiri a!
関係なく 私から 音 感嘆詞!
(それでも私は言ってやるぞ!)
語彙はめっちゃ少ないです。(でも、なんか追加したい語があったら、勝手に追加しちゃっても大丈夫です。語形が気に入らなかったら、別の語に差し替えちゃってください。)
まず、方位を表す語が存在しません。上下前後左右は指差しで表現してください。
家族や親族を表す語も存在しません。そのため、「私の父」みたいな表現を手軽にできません。名前で呼びましょう。
性別を表す語はありません。これはトキポナのgendern’tという文体の影響です。代替表現は……、たぶんないと思います。概念自体を抹消しましょう。(過激派)
善悪を表す語はありません。善悪の別なんて人間の勝手な妄想なので消してもいいですよね?(思想強め)
一方で、トキポナなど多くのミニマル言語と比較して、感覚を表す語は多めになっています。いやー、しょっぱいもの食べたときは「追加されたもの的な感じがする!」(トキポナのpilin namakoの直訳)なんてまどろっこしい言い方せずに、普通に「しょっぱい!」って言いたいじゃないですか。(謎に共感を求めるスタイル)
じゃあ、以下ではそれぞれの語について説明していきますね。なお、この言語では名詞・動詞・形容詞・副詞の区別が全くないことを補足しておきます。同格言語なので((殴
itaは、実在や真実を表します。この世に実際にある物事です。「実際に」「物理的に」的な意味で使うこともできます。
mupaはitaの対義語で、実在はしないけど感覚に影響を与える物事のことです。ネット上の空間や夢なんかがmupaです。
makiは可能を表します。~かもしれない、とか、~できる、とかです。
pimaは信じている物事を表します。~に違いない、とかです。あと神様もpimaです。
ataは不明を表します。「なにか、どれか、だれか」もしくは「なに、どれ、だれ」です。疑問詞的に使うときは、文頭に現れやすいです。
paruは、物・場所・時間にある空白のことです。穴とか、溝とか、もっと抽象的に、間隔、空間、距離みたいなの。あと、容器全般(箱・バッグ・皿etc.)は全部paruです。
ukuは表面・輪郭とか肌、あと壁とかのことです。
iraは内面のことです。
ariは順番のことです。
kataは予想したり、期待したり、待ったり、備えたり、探したりすることです。つまり、未来を予想して、それに対してなんらかの行動や態度を取ることです。(「探す」ということは、何かが見つかることを予期して取る行動なので、これもまたkataです。)
pakaは記憶です。副詞的に使って経験した過去を表すこともできます。
nataは古さや年齢を表します。narataで「古い、年老いた」、natasiで「新しい、若い」です。
namiは空間を占める大きさや広さを表します。「存在するもの」とか「物事」くらいの意味で使います。naramiで「大きい」、namisiで「小さい」です。
mikiは点とか粒を意味します。存在するか分からなくなるくらい小さいものです。
napaは線を表します。あと、糸とかひも、縄みたいに細長いものや、みみずとか芋虫とか蛇とか、それに棒とか。柱・木・電柱もnapaです。さらに抽象的な時間・期間もnapaに入ります。napaの集合体napapaは、毛(の集合体)や布、服とかを差します。narapaで「長い」、napasiで「短い」です。
mariは出っ張りを表します。山とか丘とか。鼻みたいな身体的な出っ張りもmariです。
tumiは角張っていることを表します。tumipuは「丸っこい」という意味になります。
mitaは分かれていることや、分かれているものを表します。完全に分かれている場合も、つながっている場合も両方mitaで、例えば手足はmitaです。
numuは数を表します。nurumuで「多い」、numusiで「少ない」です。個数を表すときは、このnumuに接辞を付けて表します。例えばmika numurariで「二人」の意になります。
paraはつながりや関係、関節、交差点とかを表します。
uraは「全部」とか「全て」って意味です。
muraは「固さ」を表します。固体ですね。mumuraで「かたい」、murasiで「やわらかい」です。
kukaは液体を表します。典型的には水です。
pamaは気体とか煙を表します。
miraはプラズマとか電気を表します。
pukaは弾力を表します。
mamiは粘り気を表します。
maraは熱を表します。mamaraで「あつい」、marasiで「つめたい、さむい」です。
kitaは重さです。kikitaで「重い」、kitasiで「軽い」です。
pakiは違いです。pakipuで「同じ」、pakisiで「似てる」です。
mikaは「移動」や「移動するもの」を表します。動くもの全般ですね。
mutuは植物の意ですが、転じて休憩や眠りの意でも使います。mutusiでちょい休み、一旦停止くらいの意味になったりします。mumutuは「ぐっすり眠る」という意味ですが、転じて「死ぬ」を表すこともあるので注意。
pikiは、興奮をもたらすものを表します。高揚感を求める気持ちを表すこともあります。例えばAra piki.は「それが(刺激的なので)欲しい」という意味になりえます。
putuは、安心をもたらすものを表します。安心を求める気持ちを表すこともあります。例えばAra putu.は「それが(安心なので)欲しい」という意味になりえます。
miriは視覚や見えるもの、光を表します。
mituは赤いの意です。
putaは青いの意です。
tariは黄色いの意です。
kiriは聴覚や音声を表します。転じて言葉も表します。(手話はどうするんだという意見がありそうですが、手話の母語話者は手話を見ると聴覚野が賦活するそうなので、手話は聞くものです。)
tupuは嗅覚やにおいを表します。
pumuはサラサラとした触感を表します。
kuraは味覚を表します。
mimaは甘さを表します。
niruはしょっぱさを表します。
kapaは苦さを表します。
mukaは脂肪とか油っぽさを表します。
upuは一人称代名詞です。
araは非一人称代名詞です。二人称にも三人称にも使えます。
akaは「ここ」とか「今」の意です。
・反省点
この言語はもう一通り開発終了してるんで、なんか新しい言語作りたいなーってなってます。
文法はめっちゃ私好みに仕上がってていいんですが、いかんせん語が少なすぎる……。ミニマル言語にすることで文化的中立を達成しようと思ったのですが、やはり、文化的中立なんてないですね。miri(視覚), mitu(赤), puta(青), tari(黄色)といった語は、目の見えない方にはきっと不要でしょうし。架空言語を作ることはたぶんないと思うので、自分の身の回りの環境をよく省みながら、新たに語彙体系を作っていきたいなと思っています。
語数を増やしたいので、音素の数も増やしたほうがいいですね……。音節構造の自由度も上げたいです。
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