qazēla!
0. 類型等
この項は読み飛ばしていただいて構いません。
クァレヴァス語は「属格」を除いたすべての格が無標であり、意味や文法が語順によって著しく制限されます。そのため語順の柔軟性に乏しく、詩的な表現等が難しい側面を持ちます。一方、文脈から明らかである場合、主語・目的語・動詞のいずれかが省略されることも多々あり、省略の柔軟性は高いといえるでしょう。また、カンマで区切ることによって語順を捻じ曲げることも可能ではあります。
この言語は後述の特徴により、特定の単語を明示しない場合、時制を判断することができません。また、先述通りほとんどの格が無標であるため、文意はその語順によって決定されます。従って、クァレヴァス語は孤立語的な性質を強く持ちます。
一方、動詞であることを示す「-de」や形容詞であることを示す「-ien」等、接辞がいくつか存在しており、これらを名詞等に付加することで、容易に品詞を変更することが可能です。そのため単語の造語自由性は高いと言えます。また、属格/連体修飾等においては接尾辞「-sis」が用いられるため、この点においてはある種の膠着語的性質を見出すことができます。
また、どのような品詞であれ、クァレヴァス語では基礎的な語句・語幹同士を組み合わせたうえで接尾辞を付加することにより、別の意味の単語が作り出されます。例としては、「知る」を意味する konode と「見る」を意味する kande が組み合わさり、「見ることで知る」、そこから「(特に本を)読む」を意味する konokande となります。そのため、ドイツ語でみられる合成語・複合語的な側面も存在します。
主観的総評としては、クァレヴァス語は「分析的言語」__すなわち、文脈・語順などから文法範疇を判断するタイプの言語だと思います。孤立語ほど極端ではありませんが、著しく語形変化に乏しい故です。
1. 音韻
クァレヴァス語は 5 つの母音と 20 の子音を持ちます;
| 前舌 | 前舌め | 中舌 | 後舌め | 後舌 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 狭 | /i/ | /u/ | |||
| 半狭 | |||||
| 中央 | /e/ | /o/ | |||
| 半広 | |||||
| 広 | /a/ |
| 両唇 | 唇歯 | 歯茎 | そり舌 | 硬口蓋 | 軟口蓋 | 口蓋垂 | 咽頭 | 声門 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 破裂 | [p],[b] | [t],[d] | [c] | [k],[g] | [q] | ||||
| 鼻 | [m] | (/ɴ/) | ñ[ɲ] | (/ɴ/) | n[ɴ] | ||||
| ふるえ | (/l/) | (/l/) | |||||||
| はじき | (/l/) | ||||||||
| 摩擦 | f[ɸ] | [v] | [s],[z] | (/j/) | [x] | (/h/) | [h] | ||
| 接近 | w[β̞] | (/l/) | (/l/) | [j] | |||||
| 側面接近 | [l] | (/l/) | (/j/) |
また、母音には長短の区別が存在します。長母音は母音の上に長音符を付けることで示します。
2. 文法
クァレヴァス語は世にも珍しい OVS 型の語順を持ちます。すなわち、「サムはオレンジを食べた」という文章は、
オレンジ(目的語,Object) 食べた(動詞,Verb) サム(主語,Subject)
となります。試しにこの文章をクァレヴァス語に訳してみると、
del olenzi e hade Sam.
となります。
冒頭に置かれた単語は、その文の時制を示す「時制マーカー」の一つです。時制マーカーは 5 つ存在します;
zel - 大過去時制、すなわち過去から見た過去を示す
del - 過去時制を示す
el - 現在時制を示す
sel - 未来時制を示す
kel - 時制の非明示を示す
olenzi(無論オレンジです!)の右隣に置かれた単語は、相・態・法など……英語でいう助動詞に該当する、「マーカー」の一つです。マーカーは多数存在します;
e - 能動を示す 「SはVする」
ge - 受動を示す 「SはVされる」
de - 可能を示す 「SはVできる」
he - 義務を示す 「SはVすべきだ」
se - 予測を示す 「SはVするだろう」
......他多数
これらのマーカーは一部の特殊な用法を除いて、必ず、動詞的用法で用いられる動詞の前に置かれます。逆にいえば、これらが置かれていない動詞は修飾的用法や名刺的用法等で用いられています。
文章によっては、修飾語句が複雑になり、それらにもマーカーが必要となることがあります。その場合、その箇所を mol ~ non'eg という二単語で挟み、修飾語句であることを明示する必要があります。
クァレヴァス語の文型は以下のようになります;
qo: TMa - O - Ma - S
non: TMa - Ma - V - S
lan: TMa - O - Ma - V - S
sig: TMa - C - Ma - V - S
pent: TMa - O(間接目的語) - Ma - V - O(直接目的語) - S
kōk: TMa - C - Ma - V - O - S
直前の「qo」などはそれぞれ 0 ~ 5 を意味する単語です。英語で言う文型ですね。しかしこれを覚える必要は特にありません。
TMaは「時制マーカー」、Maは「マーカー」、Cは「補語」を意味します。
また、名詞や動詞の修飾は後置的です。すなわち、 被修飾語 - 修飾語 の関係になります。
例文;
kel sal ve sele.
- 私は人間だ。
sal - 人間 ve - 「同等」を示すマーカー sele - 一人称代名詞del se gonode zele.
- 君は忘れただろうね。
gonode - 忘れる zele - 二人称代名詞el olenzi e hade vale.
- 彼はオレンジを食べる。
hade - 食べる vale - 三人称代名詞(男性)zel konodis fe hōde fale.
- 彼女は図書館にいたのかもしれない。
knodis - 図書館 fe - 「推量」を示すマーカー hōde - 居る、有る fale - 三人称代名詞(女性)sel elōn e seklude sāba falesis felī.
- 母は子に自身の乳を与えることになる。
elōn - 子 selkude - (目下の立場の相手に)与える sāba - 乳汁 falesis - 「fale」の属格/連体修飾化 felī - 母del ñadolien e āde sele ale.
- あの人は私のことを可愛いと言った。
ñadolien - 可愛い āde - 言う ale - 三人称代名詞(中性)
これ以外にもいくつかの文法事項が存在します。(単語の副詞化・形容詞化等) それらはまた次回以降で紹介していくことにしましょう。
3. あとがき
クァレヴァス語の雰囲気を感じていただけましたでしょうか。ZpDIC のほうには大雑把な文法事項と、一部の接尾辞等を含めて 517 語(2026/03/02 時点)の単語がまとめられた辞書が存在します。よろしければ探してみてください。それではまた次回お会いしましょう。
qasāxa!
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