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Fafs F. Sashimi
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【リパライン語版】格や接置詞の為の例文集

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原文(言語不明)リパライン語 現代標準語言語不明言語不明日本語

この記事は、矛盾と混沌様の「格や接置詞の為の例文集」をお借りさせていただいています。なお、翻訳に当たっては例文集の元となった「aqʼɑld͡zʌrɣo語の格(50個近い)の例文」を参考にしました。
猫の地位を向上するには、ルイス・ウェインの絵画を謲𬢦に、人間中心主義的な猫の視点を繲𢷄する必要があるのでしょうか。猫はそこに居ます

1:太陽神が歩く。

afrirlo des.

リパライン語を話す人のうちで最も信者数が多いのはリパラオネ教なので、その信仰に基づいた表現(シュトゥーガやユナフラなどの神族?)に置き換えようとも思いましたが、今回はアクァルヅァルゴ語のafriɹoを借用することにしました。
ちなみに、リパライン語の主格は -'s ですが、必要がない場合は明示されないことが普通です。

2:私は虹を見なかった。

mi xel niv latekhasfa.

リパライン語では一般に虹を四色(赤、黄緑、青、紫)として捉えます。
ちなみに、リパライン語の対格は -'i ですが、必要がない場合は明示されないことが普通です。

3:私はあなたに会うだろう。

wioll mi virot co.

元記事では対格でしたが、「会う」を表す "virot" は対象に与格か前置詞 "el" を取ります。
ちなみに、リパライン語の動詞のうち「mol型」と呼ばれる動詞は、その後に来る無標の項を与格名詞として取ります。このため、例文で「あなた」を表す "co" は無標になっているわけです。

4:魂を持つ物体を霊に差し上げた。

edioll mi nepyv nultu'c.

元記事と「ネオ・アポカリプス+『アクァルヅアル語』」を元に、原文の "eqfreoh" の人称語尾 "-oh" から、訳文に一人称代名詞を補いました(間違ってないと良いんですが……)。理語は人称変化が無いのと、動詞が文頭に来ると命令文になってしまうのでこうして主語を補う必要があるんですね。
なお "nepyv" は普通の文では使われない古い単語です。普通なら "marvel" や "celes icveo" などを使うのですが、それでは原文の敬語を表現できないのでこちらを使いました。

5:ナイフで被り物を切り裂いた。

edioll melom leus ni cest diunxalurmerl.

具格は後置詞 "leus" を使って表現します。

6:猫よ!

kivujusti!

呼格は接辞 "-sti" を使って表現します。

7:泥棒は私の主人から金銭を奪ってしまった。

tvarler tvarl arte'el lerj mi'd cysilarta.

奪格は後置詞 "ler" などで表現します。例文では "lerj" になっていますが、リパライン語では主動詞の前では後置詞を、後ろでは前置詞を用いるという傾向があるので、反転語尾 "-j" が付いて前置詞に変化した形になっています。さっき "leus" は後置詞のままで使われていたのに何故こっちは前置詞に変換されて使われているんだろう?

8:愛と金と、両方ガラクタである。

ers molerl vetrarted dalle ysnierl ad arte'el.

並列は接続詞 "ad" で表現します。原文では「両方」というのは "ʔaɾo"「両方」という名詞で表現されていますが、リパライン語では "dalle"「~と同じように」という前置詞で表しています。
ちなみに "molerl vetrarted" というのは「無用なもの、ガラクタ」という成句です。愛などいらぬ!

9:店長によって客たちが追い出された。

enforless veles kelchili'eso diepoisilarta'st.

現代標準リパライン語の一般的な受動態は動詞 "veles" による迂言法によって表現されます。このため、受動態の行為者を示す格というのはなく、従属節の主語を表す "-'st" が用いられます。
なお、文語や古語では特別副詞 "vel" というものを動詞に後置することで表していました。このときの受動行為者は与格 "-'c" によって表されます

10:我々は食事のために生きているのだと思う。

miss niejod fua knloano lyme.

原文のモダリティ接頭辞 "ʈʼə-" を表現するために "lyme"「~だと思う、思っている」という語を使いました。これは相位詞と呼ばれるもので、同じくモダリティを表現する小辞です。

11:殴打より濡れタオルが効果的だ。

berra minna es cuirteo le suiten.

比較対象は形容詞に付く "le" の前に置かれることで表現されます。

12:私の車が壊れた。

mi'd tierij snuvod.

どうやら、アクァルヅァルゴ語ではハワイ語のAクラス・Oクラスのような名詞の区別があるようです。リパライン語では特にそういった区分はなく、一般的には属格語尾 "-'d" を用いて表現します。

13:あなたの目の中にネギを入れよう。

jol ni en vyxik eska co'd fiurs.

14:私には携帯がある。

mi letix letiacirst.

所有文は基本的に他動詞 "letix" を用いて表現します。

15:何度も横転した後彼には顔が無くなった。

liaxa si xekyd feg fasta sisnestil fal eustiravil.

こちらも表現的には他動詞の主語になっています。

16:これは私の作品です。

fqa es mi'd aziuk.

17:白い鳥であり天使である乗り物があった。

flan ketiv ad tael l'es nienulerl mol.

同格表現はリパライン語には多様にあります。格語尾 "-'d" には、古い時期に同格用法があったため、それが残っている表現(言語名や国名など)があります。しかし、より新しい時期の同格表現は "l'es"(lex es)または "z'es"(zu es)を用いるのが一般的です。

18:王として地上を支配するであろう。

jol nermetixaler cix letis avimens.

役割や様態は "cix" という後置詞を使って表現します。

19:水の代わりに酒を飲んでいる。

ni kyrna dosnetost faovan ietost.

"A faovan B" は「Aの代わりにBで」という意味を表す成句です。

20:悪魔のように笑っていた。

dolum xale tetol.

類似を表すのは "xale" ですが、様態を表す "cix" でも意味は通るかもしれません。原文の様子格はどっちも表すのでしょうか?

21:悪い大人になっちゃったね。

edixa co is dolisn neverfe ja.

「~は~になる」という意味の動詞 "is" は、mol型動詞であり、変化の対象は与格を取ります。
ちなみにアクァルヅァルゴ語のəに似た語調を表す語として "ja" を使っています。

22:蛇口のような蛇に噛まれたの??

co veles stistojo toyj's xale rkhorxyl.

20に出てきた通り、類似は "xale" で表現します。

23:不況のもと職場から人が減っている。

dolisn koncan io duxienal ler larta essho.

前置詞 "fal" と後置詞 "io" が表す範囲は非常に広いので、以降も度々出てきます。

24:あなたにとってグリフィンはどのようなものか?

hame es kontictyken tysyt fal co?

グリフィンは "kontictyken tysyt"「有翼の獅子」と訳しています。

25:週刊誌によるとそれは陰謀だ。

acirl'd shane ler la lex es jurli'ef.

情報源を示すのにも "fal" / "io" を用いても良いのですが、出発点などを示す後置詞 "ler" を使うことも出来ます。

26:チョコレートでできた城を暖めよう。

lecu mi kyson tarkt zu veles lojo leusj harkenxtarsne.

「~で出来た」という表現をするとどうしても長くなってしまいますね。単に "harkenxtarsne'd tarkt" と言っても良かったかもしれません。

27:抹茶だからおいしいだろう。

la lex es joana'd bal gelx jol es dolisn.

理由は "mag" という接続詞で表します。
アクァルヅァルゴ語には、aʂçɨt͡ʃoという抹茶を示す語がありますが、リパライン語にはなかったので取り敢えずここではeo.wpのPulvora teoを参考に "joana'd bal" と訳しました。

28:今日は祭りに行きましょう。

lecu sysnul io tydiest alve.

これも "fal" / "io" ですね。

29:それはローマ帝国時代以前には無かった。

la lex mol niv pesta rorma'd la nermetixal.

以前という時は "pesta" という前置詞で表します。
原語の表現は "eva"「無い」の変化形ではなく、"era"「存在する」の三人称主語否定形過去直接法 "ore" なので "mol niv" で訳しました。

30:今この瞬間より後これは国有とする。

jol novil ler fqa is iccen.

"pesta" の反対、つまり以後という時を表すのは "fasta" という前置詞なのですが、後置詞 "ler" を使うことも出来ます。

31:春と共に花粉症が私を襲う。

pdelutkyrde katuroj mi fir'st kliergo'tj.

共格を表す "-'tj" は、原文のように「~になると共に」という意味範疇は表さず、一般的には随伴のみを表します。このため、"fir'tj" だと春もまた私を襲うということになってしまいます。季節の変わり目に体調が不安定になるのはよくあることなので別に不自然な表現ではないですが、原文の意図とは違うと判断しました。なので、ここでは "fir'st kliergo'tj"「春の訪れとともに」とわざわざ訳出しました。

32:布団から出ろ。

cuturl tarb ler.

起点は "ler" という後置詞で表します。
ちなみに "lerntarbaves"「布団から起床する」という動詞があるので、これ一語でも通じるでしょう。

33:敵陣に行った。

edioll ni tydiest zirkal.

「行く」を表す "tydiest" はmol型動詞であるため、ここでは与格ということになりますが、他の動詞では向格 "-'l" が使われることもあります。ちなみに "tydiest" で向格を使っても誤りではありません。

34:彼は映画館で逮捕された。

si veles ameleso fal kfirysa.

これも "fal" / "io" ですね。

35:海王星まで船で行ける。

cene co tydiest cecioj la sistisen-cyfoi leusj fiurme.

この場合、どこかから海王星までの間のことを指していると思われるので "cecio" という後置詞を使います。

36:橋の上で狂ったように踊りましょう。

lecu jydij xale nyixesol efan qornalc.

何かの上の場所を指し示す時には様々な表現がありますが、今回は "efan" という前置詞を使いました。

37:あなたの足の下に懐中時計がある。

wounsaen zisrles'ra mol erginsan co'd lovim.

何かの下の場所を指し示す時には様々な表現がありますが、今回は "erginsan" という前置詞を使いました。

38:私の家の横に川があった。

edioll ezost mol ektirrgan mi'd dystis.

何かの横の場所を指し示す時には様々な表現がありますが、今回は "ektirrgan" という前置詞を使いました。

39:的に向かってショットガンを撃った。

voklise'l zelceucocar leus pazes.

向格は "-'l" を使って表します。
なお "pazes"「撃つ」の対格には、弾が打ち込まれるものが入るため、"zelceucocar"「ショットガン」には具格の "leus" が伴っています。

40:道に沿ってかつて人間であった人形が並んでいる。

sinost fita leijues feas astes zelx edixu es larta.

前置詞 "fita" は長さと方向に沿うことを表します。

41:あなたは怪異の前に立っていたのか?

co ta fasta xorln moler.

前置詞 "fasta" は空間に対して使うと「~の前に」を表します。
"fontan" という前置詞を使うこともあります。

42:冷蔵庫の後ろに空間を作っておきなさい。

laozia celnirfe pesta juanarptiaxm.

前置詞 "pesta" は空間に対して使うと「~の後ろに」を表します。

43:それはAIたちの間で流行っているのですか?

la lex es karnicitj cecioj larter ezerniexixalo?

前置詞 "cecio" は「~の間に、で」を表します。
ちなみに「流行っている」は "kalzanenustili'a", "vletwal(en)" などを用いることもあります。

44:電車の中に人がいないんだけど…

larta mol niv letok pa......

この場合は "mol" の格支配で与格となります。

45:駅の近くにその事故物件はあったのだ。

masrin celaiumustan mol mel ripiet dea.

前置詞 "mel" / "mele" は「~の近くに」を表します。

46:ケモノの少年から離れたところでスポーツをしていた。

edixu mi stylusnes fal lernal lerj agriefephertzer.

離れた場所を示す特定の表現が無いので "fal lernal lerj..."「~から離れたところにて」と訳出しています。
原文の "adjoːɹkʰo"「ケモショタ」を "agriefephertzer" と言い換えました。

47:今私を魔法使いって呼びました?

edioll no io mi veles stieso khelter'ct co'st?

この場合は "sties"「~を呼ぶ」の格支配に基づくので与格ということになります。

48:あなたは光なしでものを見ることができますか?

cene co xel filx kafi'a?

前置詞 "filx" は欠格を意味します。

まとめ

大体自然に訳せたかなと思います。
こうしてみると、以前から言われていた "fal" / "io" の意味広すぎというのも割とそうでもなくて、色々と前置詞や後置詞があるんだなあということを再確認出来ました。
とはいえ、やはり古めの接置詞(fal, io, lerなど)は用法が広めなんだなあという印象があります。いつか、ここらへんの用法を用例と一緒にまとめ直せたら面白いのかなあ……。

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