Twitter筋によれば、アニメ艦これの二期が秋に放映されるそうではないか。
第一期は全話視聴したが、一体この続きがどうなることやら。
「艦隊これくしょん -艦これ-」といえば、とても昔からやっているゲームだ。例えるならば、中学生くらいからやっているような感覚だろうか。ここ数年間は全く覗かなくなってしまったが、この第二期の知らせと共に少しは見てみようかという気になった。
システムがところどころ変わっている他、新しい艦娘が追加されていてどうにも慣れることにも、勘を思い出すのにも時間がかかりそうだ。
よく見ると、艦隊名にリパライン語による名称が付けられていた。古く、そして意義のある命名にリパライン語の原初的な姿を見ることが出来るのではないだろうか?
シーラヴェン・モルッカ(第一艦隊)
第一艦隊は最も古く、そして主力艦隊として運用されてきた艦隊である。その名前はおそらく "cirlaven molkka" に由来する。しかし、これだと現在のリパライン語では非文だ。無理やり訳せば「本当の勝利する」。しかし「本当の勝利」というところが自然なところだろう。どうやら、この時点では "molkka" には名詞的用法もあったようだ。辞書に古語として追記しておこう。
主力艦隊として求められるのは真の勝利、戦略的目標の完徹だ。そのために付けられた名前こそがシーラヴェン・モルッカだったのであろう。
ヴュヌト・ロブス(第二艦隊)
第二艦隊は主力の一部ながら、第一艦隊を補助する用途で運用されてきた。その名前の由来はおそらく "vynut lobus" に由来する。現在のリパライン語に訳すとこれは「良い目」となる。
目や視界、視野、見えということはリパラオネ人にとって重要な概念である。いせにほに登場するシャリヤやKranteerl y io xalにおけるシャルなどの名前はそれらを表すリパラオネ語根 *ʃɛləs に由来する。この単語は後に "xel" 「見る」などの単語にもなっており、見るということそれ自体に対する肯定が名前につけられることからも分かる。
見ること自体が肯定的に捉えられるのに "vynut" 「良い」という形容詞が付けられたのには「素晴らしき視界によって第一艦隊の目的を補助せよ」という意図が感じられる。
ピエール・ルジャンドルの『ドグマ人類学』において、人間が動くためには「虚空に留める楔」が必要なのだと言っていた。第一艦隊は楔であり、第二艦隊はその眼で楔を見つめる。確かな視界こそ補助者の補助者たるを保証するのである。
※第三艦隊は「ヴュヌト・ロブスⅡ」だったため、省略する。
ヴェレゼー・キュンテオ(第四艦隊)
第四艦隊は殆ど遠征に利用されてきた。条件に合う最低レベルの艦娘を運用し、レベルを少しでも上げようと試みていた艦隊である。名前の語源はおそらく "veleser kynteo" である。現代語では「先生することをされる者」というところだろう。
奇妙な言い方であるが、おそらく「見習い」という辺りのことを言いたいのかもしれない。現在のリパラインではそんな言い方はしないので見てて奇妙である。
新しい順のコメント(2)
古語と呼べるものが現れるくらゐに日用して、発展させる。拙にとって理想の姿。
やはり、大成する者は総じて朗らかだ。器が大きい。言語への愛故であらうか。
いや、寧ろ、何かが自然と集まってリパライン語を形成したかの様だ。この様に、特に単語を資料として集めてゐなかったであらう姿は。
資料を見つけて、記録する。なんて考古学だ。
人工言語で在り自然言語で在るとは美しい。
(性に合はない喋り方。ただ、その言語に対してのさういふ在り方が、拙にジーフィルさんやあなたを尊敬させる一のことかもしれない)
人工言語それ自体に向き合っている「とき」と隔絶の「時間」の間を書き留めることというのは、とても趣深いことだと思うんです。だから、古典リパライン語も中学生時代のノートを引っ張り出して調査し直したりして、今でも再構成されてたりしています。その時どう考えていたのかを見つけることって宝箱を開くみたいで楽しいんですよね。
人工言語タイムカプセルなんて企画をやったら、結構面白いのかもしれませんね。