初めに
前回に引き続き今回も講評書きます。
今回は量が多いので前後編に分けるかも。
順番は提出順です。
A. 靴屋語 炒飯さん
ドイツの昔話のに出てくる、小人たちが使う言語です。
物語!これは盲点を突かれました。この話自体は知っていましたが、そもそもお題を聞いたときから全く思いつかなかった⋯⋯
自分の場合、フィクションと聞くと即座になろうに行ってしまうので、選択肢に全く上がらなかったんですよね。
音韻はかなり単純かなと思います。母音、子音含めても10個しかない。非常に覚えやすい言語ですね。
名詞しかないということですが、これは歌に出てきたからそうとしか言えないのかしら?でも動詞があるのに歌に出てこないということは小人語も動詞がないのでしょうね。
それにしても聞いた音をIPAに直せる老夫婦、いったい何者なんだ⋯⋯
主語の種類で文の意味合いが変わるようです。
一般の自然言語にあるように、状態を表したりはせず、あくまでも確認と命令だけに絞っているようです。このお題だからこその技ですね。
小人たちの歌を見ていると、本当に音が少ないのだなと思います。本当に。
B. komonofu語 УKさん
統計学者が使う言語です。
ムズイ!理解するまで結構かかりそうだ⋯⋯しかもたぶん完全理解はできない気がする。
付けられる母音によって子音の数が変わる。というかその死因が出てくる確率が変わる、というもの。
よくこの設定を思いついたな⋯⋯
でもいくら1d1000の完璧なシミュレーションができる人たちだからって一回聞いただけでどの単語かはわからないから必然的に何回か言うことにはなりそうだけれども。
否定形は子音の確率が反対になり、時制は末尾母音が変化する。
個数を増やすと完了形になり、中を長母音にすると副詞化する、か⋯⋯
nかmを区切りとして扱い、これも確率で起こる、と⋯⋯
エントロピーまで扱うとなると、かなり学問に寄った形になる気がします。てかoが多くなったりするってことは意味変わっちゃうのでは⋯⋯?と思ったり。
単語に「この単語は○○文によく使われる」ってかんじで決まってるのかな。
音韻は英語に長母音を足してちょっと抜いたくらいで、そこまで多くはない⋯⋯はず。
rやʁがある時点で日本人には難しいかもね。
C. 自尊敬語 slaimsanさん
自分が最上位だという前提のもと話す日本語(?)です。
偉いので自分から何もしない、という考えはなかったなあ。命じただけで世界に生まれるのだから、主語にならないというのも納得です。主語は偉くないものの位置。だって偉い人がしゃべるから。
一人称は「朕」だそうです。これもそれっぽい。(というか、実際始皇帝がこういってた気がするから正しい。)
通常は主語に自分が来るような文は、受身形をとることによって主語から消します。これで主語に来ないという法則が護られた!
⋯⋯と思ったのもつかの間、ラスボス・コピュラが現れました。こいつはどうやっても難しいので例外として主語を置くんですね。ムズイ。
最後は怒涛のネットミームラッシュ。
(ちゃんとニコニコ百科事典のリンク張るの偉い。)
吾輩は猫である、そう考えるとこの文もかなり上から目線だなぁと思います。
D. Shelf語 自分
司書用のプログラミング言語です。
自分のなので、これは作ったときの小話だけ。
実はコンペの作品提出が始まったタイミングでまだ何も決まってなくて。その時に急いで作り上げたものなんですね。
大体30分くらいでした。
結局SQLの下位互換的な立ち位置になってしまったのでかなり悔しかったりするのですが、SQLが良すぎるのが悪い()
ほんとに実装したりする気はないので、もしほしい人がいたならば自分で頑張ってください。以上です。
E. IMUB汎用語 チームnotlonalosNodlas
火星に移住した人々が話す言語です。
おもしろい!歴史もしっかり作られていて、そのうえで言語もちゃんと考えられているので読み飽きないです。
チームである利点が最大限出せているかなと思います。
元々核の廃棄場として開拓されたはずの火星が、いつしか人間が住むのに適した地域になった⋯⋯というのはかなりの皮肉です。
その後地球の植民地的な立ち位置になったはずが地球のほうが植民地になってしまう、というのも皮肉が聞きすぎてワロエます。
複数の地域のコミュニティが交流を得る過程で混じり合って新しい言語に発展する⋯⋯というのも設定として面白い。いくつか元標準語だったはずの英語の面影もしっかり感じ取りつつ、他の言語の雰囲気も併せ持つという、かなり「ありえそう」な言語でした。
特殊表現の中に日本語由来もいくつか混じっているのがうれしいですね。
音韻変化もちゃんと作り込まれているのが感動モノでした。
この言語、日本人からしたら英語よりも学びが速そう。
F. Bœ̂göLehœ̂Kıðœ̂r語 かめりぁさん
投機家が使う言語です。
これを読むまで投資と投機の違いを知りませんでした。(というか投機という言葉すら知らなかった)
意外とそういう人多いんじゃないでしょうか。
ティッカーシンボル、つまりその銘柄の略称を単語に取り入れるのは斬新ですね。でも納得も行く設定。
「相対性」と「量調」という二つの特殊概念が登場します。
時制のようなものをこんな形で表すとは⋯⋯と、かなり印象的でした。
量調は声量ですね。<か>のどちらかだそうです。長い分だと息継ぎ大変そう。
他にも声調が登場しますが、日本人には難しそうです。5段階ですってよ。
文語、口語にそれぞれ文法があるとのこと。投機家という狭い分野ではありますが、口語にも対応しているとは驚きです。(いやまあ、口語でも同じ意味を伝えなきゃいけないのですが、日常使いもできるという点で驚きました。)
ティッカーシンボルの文字の間をスロットに見立て、貫通辞を入れる。なかなかに面白い作り方です。
「KıíOœ̂örnrö[kɨːoɛɔlnɔ35<]」という部分だけで、長ったらしいことを伝えられるというのは本当に便利だと思います。書くだけでもかなり簡単になりますしね。
口語としてとらえた時、ティッカーシンボルごとに名詞としての意味があったり声調で相対性⋯⋯つまり時制を表したりなど、普段使いもできそうな感じです。学習は難しそうですが覚えたら簡単そうです。
新しい銘柄が出たらどんな意味になるかワクワクしそう。
G. アリンツァクン語 いもさん
我々の社会とは切り離されたコミュニティの人たちの中で、医療のために使われる言語です。
「特定の立場の人が使う言語」というお題でしたが、まさか「通常言語」と「特別言語」の二つも持ってくるとは思いませんでした。
音韻は日本人からしたらちょっと難しいかもしれないものもありますが、まあそんなもんでしょうな。
「ツァツァン語と大きく違うのは」とか言われてもわかりませんて。(一度調べてみたけど今回の記事しか出てこなかったし)
それから接辞がいろいろありますね。ただ一部似ていたりするのでそれなりに洗練されたのかな?なんて思ったりもしてます。
閉じたコミュニティとは言え何十年、何百年とたてば自然に移り変わりますからね。
「名詞クラス」の概念も登場しました。(だからツァツァン語前提で話すのは)医療のための言語だからこそ、閉じたコミュニティだからこそ様々なクラスがありますね。精霊と神は違うものなのか、とかいろいろ気になる点もありますし。
この言語は8進数のようです。日本語や英語の小数点以下の読み方がそのまま数すべてに適応されたような感じですね。わかりやすい。
患者と医者、医者の甥の会話もありましたね。ツァツァン語には名前の由来を動物から採ってくるという設定、好きです。
それによって生まれたあのやりとりも好きです。こういう小ネタ大好き。
H. チルノ語 舞孫弗たつきん。さん
幻想郷のバカルテット(チルノ、ルーミア、リグル、ミスティア)と大妖精の間で話されている言語です。
みんな大好き東方Project!登場キャラクターの名前が単語になり、名詞としての意味や動詞としての意味などをそれぞれが持つパターンです。形容詞はどちらにもかかることができ、助詞や接続詞もありますね。
個人的には「ズン」が「神主」や「神」ではなくコピュラ文の動詞や代名詞になってるの笑いました。
チルノさんは自分の単語が「バカ」を表すことは知らないご様子。まあ⑨だし。別にいいか()
アタイが ズン そのまま言語を コイシ スミレコす!
I. ンマタアリ語 チームski
秘密結社の言語です。
現在未完成なので講評もまた後で。
ここで折り返し地点!
J. しみゅん語 チームヒメミコかわいいの会
合成音声たちが使う言語です。
おもしろい題材!普段は喋らされる合成音声たちが、ここだけは自由意志を持った世界線です。
一部の音韻が変わっているだけで、日本の音韻とかなり酷似しています。合成音声は日本出身のものが多いのでその理由からだそう。
「にゃ」と「んや」の区別ができるのは好きポイント。
この言語は三立型の格ですね。自動詞/他動詞の主語、目的語がしっかり区別されています。アクセントの位置によって変わるそうですね。
後置修飾は、日本語からの名残でしょう。
聞き手の人数によってもアクセントの位置が変わるとのこと。この観点はなかったなあ。(人数0ってあり得るのか?独り言か)
前置詞もあるとのこと。後に名詞が来るというのは英語と同じですね。
一人称は接尾辞-raをつけるだけでどんな単語もなるとは!個性があふれ出そうです。
実際にしゃべってもらった映像もあるそうです。
かわいい!
K. 司書用言語 立川星路さん
司書さんが使う言語です。
かぶった⋯⋯!
まあでもこちらはプログラミング言語ですからね。かぶってないといっても過言ではないでしょう。
さて、記事ではなくgoogle spread sheetでの提出です。
格もそれなりにありますね。
逆に相は少なめです。時制は英語と同じ⋯⋯かな?
発音は日本語に見られないものが頻出していますね。(自分が知らないだけかもしれないけれど。)日本語話者は覚えるのが難しそう⋯⋯?
司書さんが使うということで、こそあど言葉もバリエーションがあります。ptck言葉?
本棚を想定しているのでしょうね。本棚の本の場所を表すにはこれだけで十分なはず。
自分はバックサイドでしたが、この場合はどっちかというとフロントサイドっぽい部分ですね。
L. ↑↑↻↺・→↻↑↑ 米田みるさん
陸棲生物と水棲生物の間の取引で使われる言語です。
今回もそうですが、世界観に驚く部分が多いです。お互いの声がわからないので、水面上で指やヒレを動かして意思疎通を図る。そんな「水面言語」ですね。
動かし方も、空中、水中から見てわかりやすいものがとられています。
ニンゲンが海に指を入れ、そのうえで波を立たせているという場面を想像したらすごいシュールですがほっこりしました。
パターンは単純ですが書く(?)のには時間がかかるため、非常にゆったりした取引になりそうです。
「絹」という単語を表すだけで2秒くらいかかりそう。
試しにやってみましたが、左手が上下、右手が回転の時にすごい左手が回転しそうになりました。音ゲーやってても自分がやったのは回転はなかったからな⋯⋯()
でも慣れたらすらすら動かせそうですね。
M. 骸機語 ふぃるきしゃさん
骸機という生物がつかう言語です。
骸機、かっこよ!
一目ぼれですよこんなもん。どことなくポ●モンに居そうな雰囲気ですが、それは置いといて。
しかし、骸機は人間が変異した姿、か⋯⋯この場合、少し時代が進めばわざと機獣化させることも出てくるだろうな、と思います。
骸機語しか受け入れず、親しかった人間の声しか受け入れなくなってしまった哀しき存在。そんな彼らは他人に使われるのみとなってしまったのか⋯⋯
時制は動詞にくっつきますね。ついでに人称・数も。
なんとなく時制は規則性があるようにも見えます。(でも計18個しかないから規則とは言わなくてもいいかもしれない。)
それから方角などの情報も動詞にくっつく模様。これぞ戦闘用言語って感じがするなぁ。
他にも名詞にくっつくタイプの情報もあるそうです。が、これは動詞に比べたら少なめだそう。ま、どの言語もそうか
さて⋯⋯この記事が正しいかはわかりませんがこんなところでしょう。
N. 毛づくろい奴隷用言語 Lilithさん
猫人間の世界で、毛づくろい奴隷が使う言語です。
驚異の5分クオリティです。コンペとしてはこれくらいの気概で参加するのも悪くないかと思ってます。
口は使えなく、手話も難しそうなのでしっぽを使うとのこと。
かなりわかりやすいコンセプトかなと思います。かわいいし。
⋯⋯これくらいしか書けないので次行きます。
O. ↄꝛlhƣ’ahnjmlhe語 やみせふぇさん
宗教の人たちが神とつながる(という名目の)ための言語です。
発音むずそう。というか実際ムズイんだろうね。人間が
実際音素の表がかなりの項目数あるし、それ故に覚えるのもめちゃくちゃ大変そう。実際一番使える人でも音素が抜け落ちたりするらしいし。
逆に音素が難しい以外は文法は簡単なようです。
(一番最後にちょっとだけ解説があった)
本島に発音に全振りなんだなぁと思います。発音が難しすぎてカルト教団だと思われるのも仕方ないか。
あの量の文章を三音節で表せられる尋常人用効率的情報圧搾言語はいったい何者なんだろうか。
P.エスリャートル語 かばやなぎさん
電脳世界、エスリャートル王国で使われている言語です。
内容はないようです。
次!
Q. owudor語 OH!Kateさん
オンドゥル語⋯⋯ではなく農業従事者が使う言語です。
音素としてはありますが、手話がメインな模様。そりゃ農業は広い土地が必要だし、声は通じないのかもね。
試しに手話を見てみました。こりゃ大変だ。
手話が意味を持つということではなく、音素に対応してる手話⋯⋯腕の動きがある模様。ぶんぶん振り回すことで伝えるとのことです。
回転がありませんが水面言語と似てもいそうな気がします。
水面言語と違うのは、やはり動きそのものが意味を持たないところですかね。(人称代名詞、格、時制はもつ)
試しに最後の例文を手話でやってみましたが、すごい疲れますこれ。
R. ハーズ語 Cyanophanēsさん
シベリア、アジアのどこかで話されている言語です。
かなり設定が凝っている印象。一体いくつ言語が出てくるんだと思います。ニャーメリ語⋯⋯聞いたことあるな
日本語にいろいろ追加したもの、という印象を受けました。
単語例や例文はなかったですがそれなりに想像がしやすい。
一度話している感じを聞きたいものですね。
イルツ語 みうこねさん
魔法を扱うための言語です。
めちゃくちゃわかりやすい魔法言語でした。初めにあった小説も、オマージュ元がめちゃくちゃわかりやすいし笑いましたね。
最後にstaanaが統一されているということで、これぞ人工言語という感じがしています。逆に神が作ったらこうはいかないでしょうね。
SVO言語とのことですが、やはり一番多い(?)ものに合わせたのでしょうか。わざわざ人工言語にしたということは、日常使いでの暴発を防ぐためのものなんだと思います。
それにしてもIltz、ゴシック体だと全く区別つかなくなりますね。まあIが大文字になるのは"Iltz"の語か文頭に来るときっぽいので読むうえでもあまり気にしなくてもよさそうです。
終わり
書ききった!1ページで収まった!やったね!
改めて、運営のslaimsanさん、OH!Kateさん、お題を投稿してくださった皆さん、作品を作っていただいた皆さん、ありがとうございました!
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