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スヮドゥン語族たん
スヮドゥン語族たん

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スヮドゥン語(ママ)の進捗状況

初めに

なんか知らないうちにスヮドゥン語なる言語が存在することにされていたRhemestryです。
代替テキスト
コラ~!
と思いましたが、ちょっと待ってほしい。これはアドベントカレンダーを作成したskytomo氏が悪いのではなく、私が上手くスヮドゥン語族の情報を皆さんにお伝えできていないからなのでは?私のMigdalの記事がいつもレスゲム語の重箱の隅をつついたような内容を取り上げているから読者の皆様に何をしているのかが伝わっていないのでは?ということで、今回はスヮドゥン語族の進捗状況、もといスヮドゥン語族の概論について皆さんにお伝え出来たらなと思います。少しの間お付き合いして頂けると幸いです。(あとskytomoさんは全く悪くないです)

まずスヮドゥン語族って?

スヮドゥン語族は架空の地で話されているという設定の人工言語群です。「語族」と銘打っている通り、それぞれの言語の間には音韻対応が存在し、共通祖先たるスヮドゥン祖語を再構することができます。(という設定です。)

これがスヮドゥン語族が話されている「亜大陸周辺」の地図になります。

Image description

地図が極めて見にくいのは悪しからず。スヮドゥン語族の原郷は高山(高山を文化的中心とした山麓部)とされており、それぞれの矢印はそれぞれの語派が拡散していく様子を表しています。(矢印に添えられた数字は分化した年代の順番を表しています。)また、亜大陸の言語は「海の民」と呼ばれる別の語族の言語を話す民族と深いかかわりがあり、その「海の民」及びその「海の民」との接触した地域の広がりが「海」と描かれた矢印とともに示されています。

スヮドゥン語族全体の、というより(私が作っている言語という意味での)スヮドゥン祖語の特徴を挙げるとするならば、名詞と動詞をあまり区別しないことや、接中辞が存在することでしょうか。

また、これまでスヮドゥン語族の設定上のあらましを述べてきましたが、メタ的な観点から見たスヮドゥン語族についてはこちらのページをご覧ください。

で、実際どこまで進んでるの?

実際の進捗状況についてお話すると、現在メインで製作しているレスゲム語に関しては文法面に関してはおおよそ出来上がり、かなり複雑な文も表現できるようになりました。例えば名詞の主要なパラダイムは全て制定し終わっています。
代替テキスト
これは近いうちに講座という形で皆様にお見せできればと思います。

そして、最も大きな進捗は、おぼろげながらそれぞれの語派の大まかな姿が浮かぶようになってきたということです。というわけで、それぞれの語派の大まかな特徴を下にまとめました。

東亜大陸語派

ここに関してはメインで製作している言語から系統的に遠いということもありほぼ何も決まっていません。最近「pʲ > t」なる音韻変化を知ったので破棄された初期構想のうちの一つである系列同化(*CʲC > *CʲCʲ)を再導入しようかなと考えていたりいなかったりはあります。また、現代において全ての語派/言語において生産性を失っているとされている完了の接中辞<ul>を接頭辞のul-として生き残らせようかなぁという考えもあったりなかったり。あとは一個ぐらい声調言語を作ってみてもいいかも?とか考えたりもしてますが私自身が声調にあまり詳しくないので作れないかもしれません……

大陸語派

大陸語派はレスゲム語などを含む西亜大陸語派と比較的近縁で、西亜大陸語派的な7母音体系から派生した5母音の体系を持っています。細かい仕様は未だ決まっていませんが、今のところは*ɔ, o, u > *o, u, yの後に*{i, y} > i、そして*{ɛ, e} > eまたは*{a, ɛ} > æを考えています。
また、大陸語派はQとK系列の音が「条件異音と独立した音素の中間ぐらいになってややこしくなる」という「QK混交」と言われる音韻変化を考えていますが、うまく実装する方法を思いついておらずまだ構想段階です。
文法面に関しても特に決まっていませんが、西亜大陸語派と似た母音構造を持つとはいえ、格が多く格接尾辞にアクセントがおかれるような格が存在するのは西亜大陸語派特有の特徴なので西亜大陸語派の言語とはだいぶ違った感じになると思います。
また、東亜大陸語派において"-m"で終わる動詞が"-n"になるという要素も導入する予定です。(-do, -leの付与の後の脱落による)あとはまぁ、受動態を搭載するなら大陸語派だけかなぁ……って感じですかね。

西亜大陸語派

西亜大陸語派はメインで製作しているレスゲム語を含むということもあり、最もしっかりと構想が定まっています。西亜大陸語派の特徴は動詞格の*-do, *-leの存在、七母音体系をベースにした母音体系、母音交替や子音交替を多様に含む屈折システム、動詞に膠着する相接尾辞、強変化と弱変化の存在などが挙げられます。また、比較言語学的な観点から行くと、流音の前の環境で母音が脱落しているのが西亜大陸語派の大きな特徴と言えるでしょう。
西亜大陸語派には主要が言語3つ存在します。レスゲム語以外は名前が定まっていませんが、それぞれ、A語、B語とします。A語の音韻的特徴は音節末の破裂音の摩擦音化、語頭の一部の子音クラスタの前におけるa-の付加などが挙げられます。また、B語は非常に限られた音節末子音しか持たないこと(-ʔ, -h, -n, -r, -w)、他の西亜大陸語派の言語では子音クラスタで表されている情報が一つの子音にまとめられていることなどが挙げられます。以下にこれらの言語の今考えている中での主な音韻対応を示しておきます。

(*祖語の再構音) レスゲム語:A語:B語
(*kw) kv:p:kw
(*t) t:t:ʔ (語末で)
(*ʁ) ʁ:g:ʕ
(*l) l:j:w

これらをまとめるとこんな対応をしている語を考えることができます。

(*sʁwet) sʁvet : asbet: sˤʷeʔ

面白いですね!(小並感)

また、レスゲム語とA語は無声化流音で再構される音を持っている点で共通しています。

(*r̥) t:r:r
(*l̥) ʃ:s:w
(*ʁ̥) h:k:ʕ
(B語は無声化の影響を受けていない)

また、レスゲム語は他の西亜大陸語派の言語と異なり前舌円唇母音三種(œ, ø, y)を追加した10母音体系である点で特徴的です。
(*lestwa) løst:jespɔ:wehtʷɔ

問題点

以上では主に進捗の芳しい面について述べましたが、もちろん問題点も山積しております。

まず第一に、スヮドゥン民族の生活している架空世界の架空性の度合いが曖昧だということです。例えば地球上ないし地球の双子惑星上の世界なのか分からないので1年を365日としてよいかが分かりません。また「シカ」という単語を作ろうとしたときに、世界にCervus nipponの存在を認めてよいのか、またシカ属はどうか、そしてシカ科は……という具合に地球上のどんなものを存在するものとして認めてよいか定まっていないのです。

第二に、スヮドゥン民族の文化面に関する設定が甘い点です。基本的に私は人工言語作者であるという認識で背景にある文化などは重視してはいませんが、そうだとしても文化というものは言語と切っても切れない関係にあり、主に造語するときに大きく関係してきます。一応スヮドゥン民族の宗教を少し作り始めてはいて、例えば月を表すløstという単語は「天の目」を意味しますが、これはスヮドゥン民族の宗教における宇宙観を反映したものになっています。

そして第三に、これは最も具体的である意味最も致命的な欠陥なのですが、アクセントに関する規則が定まっていないという点です。メインで製作しているレスゲム語を含む西亜大陸語派に存在する複雑な母音交替のシステムは祖語のアクセント位置の違いに由来するという点でこれは致命的です。これがために今現在公表している例文などに含まれる大半の単語の語形に揺れが存在します。これは早急に対処すべき問題だと認知している部分ではあるのですが同時に対応を先延ばしにしている部分でもあります。当面の目標はこれを解決することですかね……

最後に

筆が遅いので早めに始めようと思って11月中旬に書き始めたのですが気が付いたら提出期限当日でした……まだまだ書きたいことは色々あるのですがこれ以上書いてると遅刻しそうなのでそろそろお別れの時間とさせていただきます。ご精読ありがとうございました!

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