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かんたんたんたん
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無生物音源語(仮): 辞書作成と単語解説

こんにちは、かんたんたんたんです。
無生物音源語の辞書を作りました!わーい!!
とりあえず前回紹介した「音文字」と、ほんの少しですが基本的な単語をいくつか登録しました。今回はその一部の単語について、各和音と意味を組み合わせるに至った理由を説明したいと思います。

はじめに(かんたん和声学)

詳しく説明すると和声学の授業になってしまうのだが、任意の調における Do Re Mi Fa So La Ti をそれぞれⅠⅡⅢⅣⅤⅥⅦの音と呼び、Ⅰ〜Ⅶの任意のn度の音を根音とした三和音(3度ずつ離れた3つの音で作られる和音、DoMiSo や ReFaLa など)を「n度の和音」と呼ぶ。

5度の和音=SoTiRe(Ⅴの音: So を根音とする三和音)

1度、4度、5度の和音はそれぞれ主和音、下属和音、属和音と呼び、主要三和音と言われるほど重要な和音である。主要三和音は互いが属和音や下属和音になる。属和音は主和音を要求する和音であり、これに7(根音を1としたときの7番目)の音を加えた和音を属七和音(セブンスコード)という。
以上を覚えていればとりあえず今回の説明で困ることはないだろう。

単語を決めた順番

まずは人称代名詞を決めようと、主和音を基準に考えてDoを含む和音を洗い出した。言うまでもなく主和音 DoMiSo は「私」である。ローマ数字の1がラテン文字の I だからでもあるが、すべての基準となる主音 Do 自体に自分自身や自分に属するもののイメージが感じられるからだ。
一方、主要三和音との関係も大事にしたいと考えた。音楽の授業の挨拶で「1度-5度or属七-1度」を使っているのを思い出し、「よろしくお願いします」や「ありがとうございました」に相当するこの組み合わせは「私-良い-私」になるのではないかと思い至った。
人称代名詞の話に戻すと、音世界(楽器)に身分の上下はないものの相手との距離感は重要(同じ聴く相手でも合奏中の仲間と一方的に聴くだけの観客とでは一体感が違う)なので、二人称には親称・敬称が存在すると考えた。同じく楽器に性別はないので三人称に性の区別はない。それから同じメロディでもソロとユニゾンとでは音の印象が全く異なるので、複数形は区別すべきだと考えた。

単語の解説

DoMiSo: 一人称。理由は上記の通り。
ReSoTi: 良い(形容詞)、仲間(名詞)、好む・共鳴する(動詞)の意。5度の和音の転回形。コンセプト回の記事で述べたとおり聴覚情報を軸に考えると、良い音楽を作るためには互いの音を聴きあうことが重要なため。
DoReFi: 二人称親称。5度の和音にとっての属七和音(ドッペルドミナント)。「仲間」につながる和音は親しい you の意にふさわしいと考えた。
DoRiFi: 二人称敬称。1度の減三和音(不穏な響きがする和音)で、和声の基本とは異なるもののDoReFiと同様TiReSo(5度の和音の転回形)を要求できる。
ReFaSi: 悪い(形容詞)、敵(名詞)、嫌う・音をかき消す(動詞)の意。2度の減三和音。ReSoTiの対義語を考えたとき、Reが共通して不穏な響きのするこの和音がふさわしいと考えた。
DoRiFa: 三人称、近称指示詞。二人称がDo-Re-Fa(半音含む)の組み合わせなのでそれに倣った。LiReFaの属七和音の一部。
DoRiFaLa: 三人称、中称指示詞。LiReFaの属七和音。指示詞との関連を考えたとき、自分に属する Do から遠い音まで含まれたこの和音がふさわしいと考えた。
RiFaLa: 三人称、遠称指示詞。LiReFaの属七和音の一部。指示詞との関連を考えたとき、自分に属する Do を含まないこの和音がふさわしいと考えた。

指示詞は日本語の「こそあ」と同様、自分に近い近称(こ)、相手に近い中称(そ)、どちらからも遠い遠称(あ)を区別する。
今後も指示詞を含む単語は中称を4和音とし、下3和音を近称、上3和音を遠称とする。

ReFaLi: 普通だ(形容詞)、第三者(名詞)、全体的な響きを聴く(動詞)の意。LiReFaの転回形。ReSoTiでもReFaSiでもない語として、Reが共通してDoRiFaLaから導かれるこの和音がふさわしいと考えた。
RiFa: 〜さん・〜ちゃん(接尾語)、音文字の後に付いてラテン文字を意味すると同時にそれが個人名(人間に限らないが)であることを示す。三人称の和音の一部から。他人だけでなく自分にも用いる。

ふぇるとちゃん → Fa-La-La-Ti RiFa

DoFaLa: 元気・安心だ(形容詞)、家族(名詞)、休む(動詞)の意。4度の和音の転回形。音楽の授業でこの和音が「背伸びのポーズ」に使われることから。

名詞・代名詞の複数形は各和音を2連続で鳴らすことで表現する。

これからの展望

三人称と第三者を意味する和音の関係を保ちながら指示詞を体系的に整える仕組みを考えるのにかなり手こずってしまった。接尾語や助詞は2和音単語にしようと考えているが、根拠を整えながら当てはめるのは相当難しいのを思い知った。もしかすると今後は特に意味もなく単語を設定していくかもしれない。皆様からのアイデアを募集します…。つまづくのが早すぎる!

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