今日の先生は、私レシェール・フミーヤ・ファイユよ！

ええ、本編には登場してないけど、結構色んな戦場で現場指揮官として活躍したわよ。

はあ？？　最新型の非常用レーションであるS型個人糧食でさえ、甘いものが入ってるんだから関係ないでしょ。私は一人前の将官なんだから……！

残念だけど、もう先客が居るのよね。というか、ナンパなんてしてて良いわけ？　カノジョさんがヤバくなってるわよ？

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散々周りの人間をディスりまくったんだ。自業自得だな┐(´～｀)┌

まあね、でもその前に今回はヴェフィス語の標準的な動詞の変化体系から知ってもらうわ。

まあね、不規則と例外だらけの言語だから……

200個で済んだら良いわね……あ、そういえばAilieクラスに限っては語幹生成に関わることもあって不規則は無いわよ。

そこについてはわ̸̡̺̭̤͙̮̬̬̭̻͙̰̎̍̄͌͒̔̋̈́͐̔̕͝た̶̼̞̜̙̬̱̦̯͍̱͔̲̤̞̄̓̔̋͛̔̈́̎̉̚͝͝し̴̡͉̲͕̱͉̭̺̊̀̀͊̋̈́́̃́̀̒̕͜͠が紹介するわ！

ヴェフィス語のAilieクラスは、元々「動詞語幹+*liə」というものに由来するわ。

リパラオネ祖語で「存在動詞（２）」¹と呼ばれているものね。元々、リパラオネ語族の言語は、ヴェフィス語のFais, Paクラスのように動詞の語幹から人称変化や時相変化の語尾がついて変化していたんだけど、時代を経るにつれて *liə という動詞が変化を肩代わりするようになったの。

リパライン語では、それがアスペクトの助動詞になったわね。

現世リパライン語文法で言う時相の縮約助動詞というのは実は *edi, *wi という動詞だったものが変化を肩代わりして、そのまま助動詞になっちゃったものだから、本当は「縮約」と捉えるのは間違いなのよね……

ちなみに「リパライン」や「リパラオネ」の「リパ」という部分は *liə-pʰa(-k) に由来するわ。これは「西に居る」という意味で、こういう形でも「存在動詞（２）」は今でも残っているのよね。

ヴェフィス語の動詞は、それに加えられた要素に従って変化するわ。

それぞれのクラスにはⅠ、Ⅱがあって、これは二種類ある変化のうち、どちらを使うかを示すわ。

動詞の単語コードに含まれる 1, 2, 3 は、E（行動存在）の三つの変化のうち、どれを使うかを示すわね。

そうね、例えば achais [FaisⅡBsDs1] だったら以下のような変化になるわね。

完全に上の変化体系に沿わない動詞もあるわ。幾つかあるけど、まずは "es" を取り扱ってみるわね。

流石に察しが良いわね。この動詞はヴェフィス語でもコピュラとして使われているわ。変化体系は以下の通りね。

一応、祖語の相当する変化を示しておくわね。

ヴェフィス語的には語幹をここから作ると、変化語尾自体が動詞変化になるのよね。でも、"es"の変化形であることを表すために s が変化語尾の前に残った形が完全不規則 "es" の正体ね。

変化語尾の母音が *ə なのが理由ね。ヴェフィス語では、変化語尾の *ə は語幹の末子音が *s（三人称変化）/ʤ（行動存在変化）で終わる場合、脱落したわ。"*es-ə́sd"の場合、この規則に沿って "*éssd" となり、言いづらいので "est" に落ち着いたって感じね。

これだけ変化語尾の方にアクセントが無いからよ。語幹の母音が強く発音されて、残ったわけね。ただ、後に類推で e が落ちたみたいで黙字である é になってるし、音節末にあった s は末子音の脱落規則によってヴェフィス語では発音されないわ。だから、結局のところ "ésta" の発音は /ta/ で、変化語尾だけが残っているのよね……

/sʃ/って言いにくいでしょ？

ヴェフィス人にとっては発音しづらかったんでしょ。知らんけど。

an-から始まる動詞は分離動詞といって、目的語を取る時にその目的語の名詞句の後ろに an が取れて置かれるような動きをするわ。

それじゃあ "andaiva"[PaⅠAs1]「理解する」という動詞を使って、「私は理解する」って文を作ってみて？

惜しいわね。分離動詞は目的語を取らない場合は、anが分離しないの。だから、今回の場合は "Fa andaivas" が正解ね。

今回は祖語とかの話を織り交ぜて解説してみたけど、どうだった？

これからも事あるごとにリパライン語などとの繋がりは解説していこうと思うわ。

次回は動詞の実用編をやるわ！　お楽しみに！