どうも、Cyanophanēsです。
今回はRhid=zoa(以後便宜上ドワーフとします)の話す言語、ドワーフ語について書いていこうと思います。
ドワーフ語とは
まず、ドワーフというのは宴が大好きな富の神Baučig(ドワーフ形:Bušg)によって、宴の品を作らせたり運ばせる為の召使として作られました。そして神々の言葉を教えられ、それをドワーフ独自に訛らせたKuzûn dagin(元の形kʷʕzwːn dɡʲɲ)、賜った言葉という意味の言語を話しました。
しかし、時が経つにつれ彼らは自分達だけで隠し事をしようと幾つかの単語を作り、それがどんどん拡張されていきドワーフ語が出来ました。ちなみにドワーフ語ではドワーフ語のことをLûikad voruと言い、これは隠す為の言葉という意味です。
また、ドワーフは後にBaučigの元を離れ、良い山を見つけるとそこを開拓し住み着きました。そして、山のことをドワーフ館と言い、各ドワーフ館で今回扱う共通ドワーフ語から分岐した方言が話されていました。
ドワーフ語の音韻
子音 | 両唇音 | 歯茎音 | 硬口蓋音 | 軟口蓋音 | 声門音 |
---|---|---|---|---|---|
無気無声破裂音 | p | t | k | (ʔ) | |
有気無声破裂音 | ph[pʰ] | th[tʰ] | kh[kʰ] | ||
無気有声破裂音 | b | d | g | ||
無声摩擦音 | s | š[ʃ] | h | ||
有声摩擦音 | z | ||||
接近音 | v[ʋ] | j | |||
流音 | r,rh[r̥],l |
CjはCʲjと発音します
ʔは語頭の母音の前、連続する母音の前で発音されます
母音 | 前舌母音(陽母音) | 後舌母音(月母音) | 中性母音 |
---|---|---|---|
狭母音 | ü[y],y[yː] | u,û | i,î |
中母音 | e,ê,ö[ø],œ[øː] | ë[ɤ],ė[ɤː],o,ô | |
広母音 | ä[æ],æ[æː] | a,â |
(◌̂はその母音が長母音であることを示します。)
ドワーフ語には母音調和があることが特徴で、陽語幹には月母音が現れることはできず、逆に月語幹に陽母音が現れることはできません。ただ、中性母音iだけはどの語幹でも現れることができます。
ドワーフ語の文法
ドワーフ語の文法はフィンランド語などの様な膠着語です。
母音調和があるので、その語幹が陽母音で構成されている陽語幹か月母音で構成される月語幹かで、語尾などの母音を変えます。
名詞、形容詞の格語尾
主格-ø
対格-m
属格-Ul
与格-nA
位格-mOs
奪格-kjO
具格-dUn
分格-šE
方格-tthI
共格-phUr
為格-Ad
呼格-A
複数語尾-Aš
形容詞は修飾する名詞と同じ格をとり、また、名詞として使うこともできます。
代名詞 | 単数主格 | 単数語幹 | 複数主格 | 複数語幹 |
---|---|---|---|---|
一人称 | nusë | nus- | nuš | nua- |
二人称 | gusë | gus- | guš | gua- |
これ | tho | tho- | zoš | zoaš- |
それ | ther | ther- | zer | zeir- |
あれ | thuko | thu- | zuko | zuak- |
彼 | ugo | ug- | vašo | vašo- |
彼女 | igä | ig- | jäšä | jäšä- |
疑問 | päk | pä- | pæš | pæk- |
数詞
1pas
2bal
3eki
4nöle
5ardi
6hedin
7ukri
8epid
9kosë
10zagn
100phâli
1000seddä
10以降は最初に1の桁の数字をそのまま付け、20など何十というのはbalagnというふうに-Agnを付け、何百は-Ali、何千はEdAを付けます。
例)1924→seddäkosëalibalagnnöle
所有接辞 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | -nin | -nAš |
二人称 | -gin | -gAš |
動詞の活用
人称語尾 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
一人称 | -nU | -nz |
二人称 | -gU | -kš |
三人称 | -h | -lAs |
命令法 | -h | -lA |
不定詞-ik
過去-Ak
未来-îs
接続法-i-
受動態-t-
中動態-z-
相互態-bE-
完了相-Es-
現在分詞-Âl
過去分詞-Ên
未来分詞-Od
接続法では印欧語族の接続法の方の様に、話者の願望や要望、提案、推測、その他に仮定や丁寧な命令などを表します。
後置詞
名詞の後につける事で、その格に直接意味をつけることができます。印欧語族などのような格支配はなく、むしろ日本語の副助詞などの様なものです。
例えば日本語の「~も」は「~に」と合わせて「〜にも」、「~から」と合わせて「~からも」というふうにできますが、ドワーフ語でも同じです。
例)ug-彼+-nA与格+-zU~も→ugna-zu彼にも
âvad山+-A-補助母音+-kjO奪格+-zU~も→âvadakjozu山からも
-zU~も
-bA~の上に
-kE~の下に
-gOm~の周りに
-sîm~に対して
-lOb~の前に
-nEd~の後に
-gAr~について
など
他の接尾辞など
動詞の名詞化-Ûm
形容詞の名詞化-lOz
形容詞化-iO
副詞化-Av
指小辞-Ois
集合名詞化=zOA
ドワーフ語の方言
ドワーフ語には各ドワーフ館に独自の方言がありますが、実際の音や文法などは分かっていないものがほとんどです。
ただ、稀に放棄されたドワーフ館からそこの方言についての資料が見つかることがあり、いくつかはその実態が解明されています。
最もよく分かっている方言はザルー方言と言い、かつては最も栄えたドワーフ館でもありました。
ドワーフ文字
ドワーフ文字は石や鉄などに刻むものだったので、基本的に直線的になっています。
陽語幹の単語の左上に上の写真で上に陽と書かれた文字を書き、月母音のものは単語の左上に上の写真で月と書かれた文字を書きます。それぞれを陽符、月符と言います。
例
これはnUsEに月符が付いてるので、nusëと読みます。
これはzÂkに陽符が付いてるので、zækと読みます。
これは人名で複合語なので、それぞれの単語が何語幹なのかを表す為に、語幹符が2個付いています。
この場合はvOrnAとhAzÂlに分かれ、月符が2個なのでどちらも月語幹で、
vornahazâlと読みます。
これも人名で複合語なので、語幹符が2個付いています。
この場合はvÂzとkAtÂlに分かれ、上が陽符、下が月符なので、
前半のvÂzは陽語幹でvæz、後半のkAtÂlは月語幹でkatâlとなるので、
væzkatâlと読みます。
時代が下っていくと、各ドワーフ館で独自の書体や、文字が発展していきました。
終わり
次回もまた、このファンタジー世界での言語について書く予定です。
それではまた。
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